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リリカル世界の魔導師が遊戯王GXの世界にログインしました。
デュエル準備1 魔導師は死んでしまいました。
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たときには二人の親友の手も借りて強引に彼を引っ張り回した。



初めこそ拒絶の意志を見せていた悠斗だったが、余りに強引な彼女の行動に渋々言うことを聞くようになり、やがて自らの心に光を取り戻し両親の死を乗り越えることに成功する。



彼は思う。あのときのなのはの行動がなければ自分の心は未だに死んだままであったと。



なので彼自身はこの死に方には満足していた。なにせやっと彼女に長年の恩を返すことができたのだから。



悠斗は自分の視界がどんどん霞んでいくのを気づく。体も熱を感じなくなり、瞼がどんどん重くなるのを感じた。



悠斗は気づく。もう終わりがすぐそこまで来ていることに。



そんな悠斗の様子に気づいたのかなのはたちは必死の形相で声をさらに張り上げる。



「悠斗君目を閉じちゃ駄目!!」

「しっかりしろ悠斗この野郎!今救護班を呼んだから助かるぞ!!」

『意識をしっかり持ってくださいマスター!!』



(やれやれ、最後くらいのんびりさせてくれないのかねこいつらは……)



かすれゆく意識の中に聞こえてきた声に、思わず心の中で苦笑する悠斗。



だが同時に嬉しくもあった。彼女たちの中で自分が必死になるほど大きな存在だと感じることができたからだ。



悠斗は口元に笑みを浮かべながら彼女たちがいるであろう場所に、その視線を向ける。



「わ…り……おま…ら…。おわか…れ……だ……」

「何馬鹿なこと言ってやがるんだ悠斗!」

「そうだよ!そんなこと言わないで!!」



悠斗の言葉を涙ながらに否定するなのはとヴィータ。それは彼が間違っているからではなく、自分たちがこれから起こることを信じたくないからこそ出てきた言葉だった。



二人の言葉に困ったような笑みを浮かべながらも二人の手を握りしめながら悠斗は言葉を続ける。



自身の感謝の言葉を伝えるために。



「い……まま…で……こ…んな…俺と……一緒にいて……くれ…て…あり……がと……」

「そんな……。そんなこと言わないでよ!?」



悲痛な声を上げるなのはを悠斗はその笑みを濃くして見ていたが、やがて重くなった瞼に逆らえなくなりその瞳を閉じた。



そして更識悠斗はその息を引き取った。





「悠斗君!?悠斗君!!そ、そんな。う、うそ………。いやああああああああああああああああああああああああああああああああ!?!?!!」



一人の少女の心に大きな傷を残して。






こうして更識悠斗の短い人生は幕を閉じることになる。








………はずだ
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