第二十九話 副将
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だろうか。軍の勝利のためではなく自分の勝利のため、それを優先しようとしなかっただろうか……。俺は未だにあの件について答えを出していない。これからも皇帝になる事を目指すのか、それとも諦めてブラウンシュバイク公に協力するのか……。俺もキルヒアイスもその問題から故意に目を逸らし先送りしている……。だから公の好意を素直に受け取る事が出来なかった、不満に思った……。
「……閣下はブラウンシュバイク公の言葉を覚えておいででした。今もケスラー参謀長の諫言を受け入れておいでです。進歩が無い等と卑下なさる事は有りますまい」
「ミュラー……」
ミュラーが俺を労わる様な目で見ている。
「ただ、気を付けなければなりません。地位が上がればその分だけ周囲の注目を浴びます。何気無い一言、他愛無い一言が大きな反響を呼ぶのです。閣下はもうそういう立場に居るのだと御理解下さい。ケスラー参謀長の諫言もそれが有るからだと小官は思います」
ケスラーを見た、ミュラーの言葉に頷いている。
「そうか……。ミュラー少将、良く分かった。以後は気を付けよう」
気を付けよう、そして答えを出そう。何時までも問題から目を背けるべきではない、今のままでは不安定なだけだ……。
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