第一章 無印編
第二十一話 『外伝2 夜の一族とシホ、真実を語る時(前編)』
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見えなかった。
それで強引に、
「先生。月村さん、少し気分が悪いみたいなのでちょっと保健室に連れて行きます」
「あ! シホちゃん、私は本当に…」
「嘘つかないの。少し顔が白くなっているわよ?」
「………」
それですずかは反論が出来なくなったので、されるがままにシホに保健室に連れていかれた。
途中なのはとアリサが一緒に行こうとしていたけど、シホはこれは普通の状況じゃないと判断して二人を先に教室に帰らした。
◆◇―――――――――◇◆
Side シホ・E・シュバインオーグ
私はやっぱり無理をしていたらしいすずかを保健室に運んだ。
だけどちょうど運悪く…いや、ちょうどいいかな? 保健室の先生の姿はなかった。
「すずか…どうしたの? さっきまで平気だったのに…」
「本当になんでもないんだよ? ただちょっとだけ―――……」
そこですずかの言葉は途絶えた。
やっぱりなにか訳ありみたいね。
だけど無理に詮索しても碌な事態にならないので今は、
「そう…。それじゃ私は何も聞かない。誰だって聞かれたくない事だってあるものね」
「ごめんなさい…」
それですずかはシュン…としてしまったので元気付けようと、
「ううん。いいの、私も色々と訳ありだから。それじゃ少し落ち着いたら教室に戻ろう」
「うん」
元気が出たのかすずかは笑顔を浮かべてくれた。
顔色も先程よりよくなっているようだし、もう心配も無いだろうと思って少し休んでから二人で保健室を出た。
◆◇―――――――――◇◆
そして帰りの事、私はというとすずかと一緒に月村邸に向かっていた。
理由は多岐あるけどファリンさんと色々と料理談義もしたいところだから。
それと恭也兄さんも先に忍さんと向かっているらしい。
なのはに関しては今日は魔法関連はユーノ、武術関連はフィアに任せてあるので修行は大丈夫だろう。
フィアにも私の代わりにストッパー役を任せてあるから問題ない。
「ごめんね、シホちゃん。ファリンがいつもお世話になっちゃって…」
「気にしないで。私も料理関連の話ができる人は少ないから結構楽しませてもらっているし」
私とすずかが他愛の無い会話をしている中、
少し人気の無い場所を歩いていたら…ふと、私達の周りに複数の気配がした。
すずかは気づいていないみたいだけど、どうにも嫌な視線が付き纏ってしかたがない。
「(…とりあえず、魔術回路だけでも開いておこう。)…すずか」
「え…? どうしたの、急に私の前に…」
「出て…」という言葉はすずかもどうやら気づいたらしく、その先は紡がれなかった。
それを察したらしく四方から黒いサングラスをかけたいかにも怪しい男達が影から出てきた。
動きはど
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