25,That is say it's・・・
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勘だが、黒ポンチョの意見は本気でそう信じていない気がした。
ポンチョの方はおそらく確信を持って、この世界が現実だとわかった上で人を殺している。そんな気がする。
「あああああぁぁぁぁぁ」
不意に、先ほどとは段違いの悲鳴が上がった。
最後の1パーティーとなっていたタンク部隊が巨剣に薙ぎ払われ吹き飛んでいった。POTは当然間に合っていないし、攻撃を防いでくれるタンクもいない。ダメージディーラー達はもう他人の事を気にする余裕もなく、ただ潰走していた。
ドシン、ドシンと巨人の足が倒れているタンクプレイヤーを踏みつけた。バタバタと手足を動かすも、巨体の重さと死の恐怖で全く意味はなく、悲鳴は掠れるように消えていく。
「くそっ」
咄嗟に俺は地を蹴った。
ポンチョとの会話中に確かめておいたルートは問題なく向こう岸まで辿り着けそうだ。十分な助走をつけ、一番手近な足場へと跳躍しようとし――
「クロちゃん、ダメだ!!」
――アルゴの悲鳴に似た叫びで何とか踏みとどまった。
目指していた足場には二本の投剣が深々と突き刺さっている。刀身は不気味に光り、持ち主の血を求める心を写し取っているようだ。
「Wow、外したか」
「次は、当てる」
なる程、ただでは行かせる気はないってか。
目的の扉の先からは何かを叩き潰す鈍い音がした。ついで生物から出るはずのない無機質な破砕音が響き渡る。
もう一秒の猶予もない。俺は、アルゴの方をチラリ、と見た。
アルゴは俺の顔を見て、俺が何をするかに気づいたみたいだ。クローをつけた腕で俺を引きとめようと手を伸ばす、がもうその手は空を切った。
「おおおおぉ」
先程と同様に助走をつけ、足場へと跳躍する。
飛んでくる投剣の一本を自身の投剣で相殺し、着地した足でギュッとグリップ。流れようとした体にブレーキを掛け、奴らのいる通路へと一気に突き進んだ。
空中で奴らを見ると、既に髑髏の方は獲物をエストックへと切り替え、フェンシングのように眼前で構えている。刺突に特化したエストックらしい――急所一点狙いの《リニアー》の構え。
狙ってくるなら空中で無防備な、俺の――
「――アタマ!!」
叫びながら体を丸め、前転するかのように体を回す。弦月とは逆の宙返り蹴り《ムーンサルト》のモーションに入ると、俺の右足は青色のライトエフェクトを纏った。
ガキィィン、と金属の弾ける音とともに髑髏面のエストックが地面へとたたきつけられた。
自分の突きをカウンターされるとは思っていなかった髑髏面は一瞬だけ、動きを止めた。
「シマッ」
言い終わる前に俺は伸びきった肩にナイフを一閃した。
スパン、と確かな手応えとともに男の体がドスンと地面に転がった。
「レベル2の麻痺毒だ。大した時間じ
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