第10話 長門への説明
[6/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、少し不可解と言う雰囲気が長門から発せられた。
成るほど。それならば、多少の説明は必要でしょう。
「新しく発見された彗星と言うのが、その天に昇った悪神ラーフの現実界の姿なんや。
それで、その彗星が地球に最接近する直前に、この付近は異界化する」
おっと、先ず、その『異界化』の説明が必要ですか。
この『異界化』と言う現象は、閉鎖空間。呪派汚染。魔界化などと評される現象の事。
そして、今回の異界化現象の核は、異界より顕われる悪神ラーフ。
おそらく、土地神が封じられた事に因り、ケートゥが次に現世に顕われるのは、この先はこの時までないでしょう。
ラーフ、ケートゥは二柱が揃って、初めて全能力を行使出来るように成るはずの邪神ですから。
伝承で伝えられている狡猾な悪神が、そんな中途半端な状態の時に、現世をうろつく事は考えられません。
何故ならば、現在起きつつ有る事態を神界や仙界に気付かせない為に、早々に土地神たちを封じたはずです。
そんなヤツが、調伏される危険性を冒してまで、中途半端な状態で現世をうろつくはずはないでしょう。
「その異界化した閉鎖空間で、ラーフやケートゥを排除出来たなら、彗星はそのまま宇宙の彼方に飛び去る。
せやけど、ヤツ等の方が勝利した場合、彗星が間違いなく、ここ西宮の地に落ちて来る。
ヤツ等は、太陽と月の両方に恨みを持っていて、顕われる際には、日食と月食を同時に伴う、と言う伝承もある。
しかし、どう考えても、このふたつが同時に起きる事はない」
ここまで一気に話してから、息継ぎの意味と、それに、少しの余韻を持たせる意味から、言葉を切って、息を吐き出す。
そして……。
「考えられるのは、巨大彗星激突による、核の冬の到来やな」
……と、やや疲れたような口調でそう告げた。
もっとも、本当にそうなるのか、それとも、街でラーフが大暴れ、に成るかは判らないのですが。
しかし、確かラグナロクやハルマゲドン関係の記述の中にも、似たような記述が有ったように記憶しています。
それに、この仮説でも、少なくとも太平洋沿岸地域は壊滅的なダメージを受ける事は間違いないでしょう。
古来より語られて来た物語には、語り継がれて来た分だけの力が籠められています。この力をバカにしたり、無視したりしたらイタイ目に会う事となる可能性も有るからね。
「貴方の話を信用するのなら、この地球上に安全な場所など存在しない。
ならば、わたしが貴方に同行したとしても問題は発生しない」
長門が俺にそう言う。成るほどね。確かに筋は通っていますね。
しかし、
「確かに長門さんが言うように問題はない。せやけど、俺は負ける心算もない。
……と、言う訳で、現実世界
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ