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ヴァレンタインから一週間
第10話 長門への説明
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りますから。

 最初、彼女は、かなり強い陰の気を放っていました。
 もっとも、彼女自身を支配していたのが、寂寥感や達観などの負の感情が強かったから仕方がないと言えば、仕方がなかったのですが。
 それで、現在は、かなり陽の気が強くなって来ています。この理由は……。

「俺の霊気は、陽の気に分類される霊気なんや。それを直接取り込んで循環させているんやから、以前よりは調子が良くなって当然なんや」

 もっとも、あまり取り込み過ぎても問題が有るモノなのですが、彼女に循環させている霊気の総量は、食事の量と比べたらそれほど大きなモノでは有りません。
 おそらく、食事として取り込んでいるカロリー(エネルギー)もそのまま、彼女の生体を維持する為のエネルギーに転換出来る為、他の式神たちのように全てを俺が賄う必要がない分だけ少なくてすんでいるのでしょう。

 それに、おそらく、彼女自身の気持ちの変化に因るトコロも大きいと思いますから。
 これはつまり、気の持ちようでどちらにもなる、と言う事なのですが……。

 まして、女性は基本的に陰に属しますから、男性で有る俺から陽の気を得るのは、理に適っている事でも有りますし。

「オマエさんの能力は有る程度判っている心算や。その点だけで言うならば、相棒として、俺と共に居て欲しいに決まっている」

 俺は、先ほどまで考えて居た言葉をオクビにも出す事もなく、更に続けた。
 それに、俺に出会う以前の彼女の気持ちは、今考えても仕方が有りません。
 それよりは……。

 俺は、真っ直ぐに長門有希と言う名前の少女型人工生命体を見つめる。

 そう。彼女……。長門有希は、造られた存在で有る以上、おそらくは普通の人間よりも高スペックに造られているとは思います。
 しかし、それでも尚、一気に首を跳ばされるとか、身体の基幹部分に致命的な損傷を受けた場合、生体としての機能を維持出来るとは思えません。
 そして、その際に彼女に対して、俺の式神の唱える治癒魔法や、蘇生魔法が効果を発揮するかどうか。

 おそらく、基本は生命体ですから、効果を発揮するとは思うのですが……。
 しかし、試す度胸は、今の俺には有りません。

「まして、俺を説得出来なかったら、ラーフにも、当然、ケートゥにも出会う事は出来ないやろうしね」

 そう、有希に告げる俺。
 もっとも、この言葉の方に関しても、確信が有る訳ではないのですが。
 しかし、それでも神代ではないのですから、ラーフやケートゥが、某着ぐるみ怪獣映画よろしく街で大暴れ。地球防衛軍相手にド派手な戦闘行為。日本列島は大パニック、などと言う、悲劇的ですけど、有る意味、笑える破壊活動に成る事はないとも思いますから。

 案の定、俺の言葉の意味が判らなかったのか
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