第10話 長門への説明
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言うか、ある種の期待感に近かったような気がするのですが。
彼女の感じている期待感とは……。
いや、今はそんな不確実な事を考える必要は有りませんか。
それに、今の彼女の答えは自分で選択したと答えと言うよりは、状況に流された結果と言う雰囲気です。
ただ、その期待感と言う部分を言葉にして貰えたなら、そこに彼女の本当の気持ちが含まれているとは思いますが。
そうすると、俺は、俺の思いを素直に彼女に告げたら良いだけ、と言う事ですか。俺としては、こんな危険な事件……調査の間だけならいざ知らず、ラゴウ星と直接相対す瞬間まで、この少女を連れて行きたいとは思いませんから。
「いや、他に選択肢は有るで」
俺は、やや軽口に近い様な雰囲気でそう答えた。そして、長門が何かを口にする前に更に続ける。
それは、俺自身の意思がぐらつく前に口から発して置く必要があったから。
そう。何故ならば、俺は、そんなに意志の強い人間では有りませんから。
「調査は二人で行っても良い。せやけど、ラゴウ星と直接対決するのは、俺一人で充分や。長門さんは、俺とラゴウ星の戦いのケリが付くまでの間、何処か安全な場所に隠れてやり過ごしてくれたら、それだけでええ」
もっとも、俺の目の前に座って居る少女が、こんな危険な事を俺一人に押し付けて、自分一人が安全な場所に隠れて危険な事をやり過ごす、などと言う選択肢を選ぶとも思えません。
まして、ラゴウ星が顕われると世界の半分は簡単に吹っ飛ぶ、と言う俺の説明を彼女は信じた訳なのですから、
長門が、その瞳に俺を映したまま、ただ時間だけが過ぎ去って行く。
………………
…………
……って、おいおい。何故に、俺が彼女にじっと見つめられなければならないのです?
それも、彼女の帯びた属性と、この季節に相応しい霜の降りたような視線で。
「いや、別に長門さんがラゴウ星との戦いの場に必要ない、と言っている訳ではないで。
俺が、そう言った理由を考えて、何故、長門が俺と事件を共同で解決したいと思ったのか、その理由を俺に納得出来るように説明したら良いだけなんやから」
だから、出来る事なら、そんな脅迫するような瞳で俺を見つめないで下さい。
俺は、基本的に女性に甘いですし、ラゴウ星を一人でどうこう出来るなんて小指の先ほども思ってはいないのですから。
それに、
「そもそも、長門。オマエさん、俺と契約を交わしてから普段よりも体調が良い事はないか?」
俺の突然の、そして更に意味不明の問いに、少し考える仕草を行った後、コクリと首肯く長門。
そして、その彼女の答えは俺の予想通りの答え。何故ならば、そもそも、最初に出会った時と、今、彼女が発している気の質はかなり変わっているのが判
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