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蒼き夢の果てに
第5章 契約
第53話 炎の少女
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るレベルの攻撃です。

 それに、雷ですから、当然、神速の攻撃。光った瞬間に貫いていますからね。

 そして、全ての解説を終えた俺が、雰囲気を一変させた。
 それまでの、親しい友に接するような雰囲気から、高貴なる相手。神霊の類と相対す際の清く澄んだ気を纏う存在として相応しい雰囲気を発す。
 本来、神との対話には、こちらもそれなりの作法と言う物が有りますから。もっとも、この目の前の女神さまはどちらかと言うと武人タイプの御方ですから、刃と刃。剣術と剣術。そして、魔法と魔法(仙術)で語り合った以上、最早、そう堅苦しく語り掛ける必要はない……とも思うのですが。

「さて、崇拝される者ブリギッド。貴女の試しは無事に達成出来たと思いますが、それでも御不満があるのなら、何度でも挑ませて頂く心算です」

 もっとも、何度戦っても、その度に戦術を変えて戦い、勝利して見せる心算ですけどね、俺は。
 特に、この女神ブリギッドに関しては、俺に比べると空中での機動に難有りですから。
 直線では速いけど、その分、小回りが利かない。故に、ぎりぎりまで引きつけて躱す事が可能。

 まして、俺は、逃げる事、躱す事だけは得意ですから。
 俺のような空中機動は、風を自在に操る存在でも、もしかすると難しい可能性も有りますからね。
 重力を自在に操る存在と戦う経験は、早々ないでしょうし。

「あの魔法は、水の精霊の魔法じゃない」

 炎の少女が、呟くようにそう言った。そして、この言葉は、おそらく、俺に聞いて来た訳ではない。
 何故ならば、湖の乙女の方を見つめながらの言葉でしたから。

 その言葉及び、彼女。崇拝される者の仕草の中に何か、微かな違和感。彼女、何か、勘違いをしているような雰囲気が有るのですが……。

「何故、式神や、彼女の能力を使って、わたしと戦わなかった」

 明らかに、湖の乙女を見つめながら、炎の少女はそう言った。
 これは、つまり、俺の事を水の契約者として捉えていると言う事なのでしょう。

「自分自身の、……生来の龍神としての能力で相対したかったから。
 この戦いは、崇拝される者、女神ブリギッドを倒すのが目的では有りません。
 貴女に認められるのが目的です」

 もっとも、本当の能力を使用していないのは、この眼前の少女の姿をした炎の精霊王の方も似たようなものでしょう。
 何故ならば、相手は炎そのものの存在。人型に拘る必要も無ければ、人のサイズに拘る必要もなかったはずです。もし、巨大な火竜姿や、炎の魔神姿で相対して来た場合は、俺の方も、もっと回避に気を使う必要が出て来ましたからね。
 まして、彼女なら、更に巨大な霊力を持って、俺と相対す事も可能なはずですから。

 彼女が、俺の想像通りにこの世界の炎を統べる
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