―修学旅行 前編―
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キング・武藤遊戯の実家である。
「いらっしゃい」
店内に入ると同時にしゃがれた老人の声に出迎えられると、デュエルモンスターズを始めとした様々なゲームが俺と三沢の目に入ってきた。
「これは……武藤遊戯や海馬瀬人が使っていたレアカードがこんなにも沢山……!」
常日頃から良く過去のデュエリストの戦歴などを図書室で眺めている三沢には馴染み深いカードたちなのだろう、三沢は喜びを隠しきれずにカードケースを見始めた。
俺はと言うと陳列されているカードケースを見るのはそこそこに、この亀のゲーム屋の店主である、店の奥にいるデュエルキングの祖父――武藤双六に声をかけていた。
「すいません、武藤遊戯はご在宅ですか?」
俺がここに来た理由はただ一つ――デュエルキング・武藤遊戯に会うことであった。
貰った当初は解らなかったものだが、デュエル・アカデミア本島に行くときに、二種類のラッキーカード《エフェクト・ヴェーラー》と《パワーツール・ドラゴン》を渡してくれたのは、思い返してみればあのデュエルキングに他ならない……会ってお礼を言いたかったのだ。
「ほっほっほ、遊戯に挑戦かね? しかしじゃな、遊戯はちと旅に出ておっていないのじゃ」
ここに来た目的は少し勘違いされてしまっていたが、デュエルキングは旅に出ていていないという、予想の斜め上を行く返答は双六老人から得られた……少し、いや、かなり残念だが仕方あるまい。
あまりカードを買う気は無いが、三沢に習ってウィンドウショッピングでもするか、と思ったその時、双六老人が俺の顔を覗き込んできた。
「まさか君、黒崎遊矢かの?」
「……!? ええ、そうですけど」
初対面の双六老人から突如として自分の名前を言われ、ついつい身構えてしまう俺に対し、双六老人はまたもほっほっほ、と笑いながら一枚のカードを取りだした。
「遊戯から頼まれているのじゃよ。『黒崎遊矢という人物が来たら、このカードを渡して欲しい』とな」
そう言いながら、双六老人は俺に一枚のカードを手渡してくる……別に見たことのない背景の色だったり見たことのない効果が書いてあったりしないし、カードの絵柄が描かれていなかったりとそういったことはなかったが、見たことのないカードであることは確かだった。
「……これを俺に?」
「そういうことじゃ。遠慮なく受け取っておきなさい……それと、このカードもサービスじゃ」
双六老人から受け取ったカードと、新しく受け取ったそのサポートカードと思しきカードをとりあえずデッキに入れると同時に、いきなり蹴破られるように亀のゲーム屋のドアが勢い良く開いた。
そして顔を出したのは、見覚えのない、しかし、何の変哲もないどこにでもいそうなデュエルディスク
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