十一話 「『二人の』為」
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向こうはどうなったのだろう。そう思い白はイツキの方へ視線を向けた。
耳に触る金属の不協和音が小さく鳴り響いた。
チャクラ刀を受け止めたナイフをに対しそのまま踏み込み側面に回りながらなぎ払う。咄嗟にしゃがんで相手の男性は避けるが薬が抜けきっていないのか動きのつなぎが鈍い。そのまま踏み込んだ俺の蹴りが相手に入る。
痛みにうめき声を上げながら男性は咄嗟に後ろに下がりナイフを構える。
だが鈍い悲鳴を上げすぐに崩れ落ちる。
「何が……これ、は」
「苦無は弾けてもこの暗さじゃ“コレ”はロクに見えないだろ」
指の間に千本を挟んだ左手を軽く持ち上げる。ツボに指すのは無理だが一応練習して投げるだけなら出来るようになっている。流石にこの暗さじゃ普通の人間に見えるはずがない。
足に刺さった千本を無理やり抜きながら男性は木を背に立ち上がる。
「あの光でよく動けるじゃねぇか」
「優秀な仲間がいてね。叫んで教えてくれた御蔭で目を閉じられたよ」
「犬みたいなやつか。やっぱり――」
「時間稼ぎならいらねぇよ」
喋る相手を無視して近づき一気に接近。振るわれるナイフに体を低くして潜り込みチャクラ刀を振るう。
咄嗟に横に避けた相手に対しそのまま旋回。肘が男性の腹部に突き刺さる。
「よくそれだけ動けるなあんた」
「ハッ、忍者崩れが何を言うクソ野郎」
「あ? 何で……ああ、だからか」
やけに動きのいい相手の事情に合点がいったと呟きつつ投げられた苦無が相手へと飛ぶ。
避けようとするその動きに、そして忍者崩れだとこちらを推測した言葉から一つの答えが導き出される。
「少しはチャクラ使えるのか。どうりでスタングレネード何て持ってるわけだ」
「齧る程度だけどな。誰にだってある才能だ。俺は生き残るための次への準備を欠かさないんだよ」
「あ、そう」
姿形を全く同じに化ける方法などない。あるとすれば忍術。過去の知識から気づいた男性はこちらの正体を看破する。
だが動きから見ても本当にかじる程度のようだ。
チャクラは人なら誰にでもあるエネルギー。忍者だけが使う、というイメージがあるが訓練すれば大なり小なり使えるし盗みなどには有効だろう。だが、まともに使うにはある程度確かな鍛錬がいるものだ。
苦無を弾き体勢が崩れた男性の顔に膝を叩き込む。弾性のない硬い肉を叩いたような気持ちの悪い感触が膝に伝わり血が染み付く。
それを見ながら呟く。
「次はないから安心しろ。『キョウ』とかいう奴もだ」
「……躊躇いねぇな、おい」
「――持ったら動けなくなるんだよ、今の俺は!!」
思考、即、実行。
叫びながら迷いなく振りかざしたチャクラ刀が
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