十一話 「『二人の』為」
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すっきりして―――
いつもと違いやたら雄弁に喋って―――
人は嘘をつく時隠そうとしていらないことまで喋り多弁になるという。
ヒントはいくらでもあった。それを見落としていたことに、違和感はあったのに気付けなかった事にアズマは歯噛みする。
「――誰だテメェ」
「凡ミス、か。あいつに任せるべきだったかな」
若年男の声を確認と同時、アズマはナイフを引き抜き自分と青年の手を切り裂く。 そのままナイフを相手に投げつけると同時、激痛に覚醒した意識で青年の腕をつかみ走り出す。
倒れた仲間たちとは逆の方へと。
「走れ」
背後から投擲された刃物をアズマはもう一本のナイフで弾く。だが暗闇とまだ自由の戻りきらない体が弾けたのは一本だけ、腕や足を裂かれながら懐から出した閃光弾を放る。
炸裂する光を背後に青年の背を押し駆ける。
「他の人達は――」
「無理だ!」
「だけど……」
倒れた仲間を見捨てられず、足が止まりかけた青年の顔を殴り走らせる。
助けるのなら尚更だ。倒れた向こうを無視してこっちに向かってきたことを考えるなら、仲間の方に向かっても意味は薄い。なら少しでも逃げて時間を稼ぐほうがいい。相手の言葉を考えるなら向こうは二人なのだから。
もしかしたら、で助けに向かうよりも一人でも多く生き延びる道を。可能性のない『助ける』は殺したのと変わらない。
「二手に分かれるぞ。走れ」
「――はい」
もっとも閃光弾を放る瞬間、何とか起き上がっていた仲間たちの所で動く“もう一人”を見たアズマは仲間に望みはないと知っているが。
木の根に、蔦に足を取られそうになりながらも暗い森の中を全力でアズマはかける。
その足は速い。段々と戻ってきている感覚を駆使しながら脇芽もふらない。
その背後に音が迫る。
「こっちがハズレか」
光からまだ数秒。ロクに逃げられもせず迎えた結果にアズマは嗤う。
逃げ切れよキョウ――
小さく呟き、アズマは振り返りながらナイフを振り払った。
合図があったのを確認して白は暗闇から飛び出した。
既に起き上がっていた対象はこちらを見てその目を見開き腰元に手を伸ばす。
だが遅い。
既にチャクラを練りきっていた白の手がその懐に叩き込まれる。
――螺旋丸・偽
第三段階目『収束』がまだ完璧には終わっていない、けれど人に向けるには十分なだけの暴力。渦巻く力の奔流が相手の男性の胸部の肉を抉りながら吹き飛ばす。
仲間の惨状を見て自体を理解した他の男が刃物を向けて向かってくるのを見て白は千本を投擲。狙い通りに腕と足に刺さりその力を麻痺させた所へ苦無を腹部へと突き刺す
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