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IS《インフィニット・ストラトス》〜星を見ぬ者〜
第十四話『決断』
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ロイは医師に握手をし、ネレイスは喜びで涙をながし、スウェンは安堵しゆっくりとその場に座り込む。手術室から、担架で運ばれてくるリズが居た。


「意識も取り戻したようですし、ご家族の方、お話してください」

「はい! スウェン、先に」

「ああ」


スウェンはリズの傍まで近づき


「リズ、大丈夫か?」

「お兄……ちゃん? あれ? お仕事……は?」

「ああ、途中で抜けてきた」

「……ごめん……ね、私のせい……でお仕事の邪魔……しちゃって……」

「いいんだ、お前が無事で。けど良かった、本当に心配したぞ……」

「えへへ……ありが……と」


スウェンはリズから離れた。ロイとネレイスは一緒にリズの近くに行く。スウェンは何より、リズの命が助かった事に安堵と喜びを感じていた。不意に鏡を見ると、微笑んでいる自分の顔が映る。


「俺でも……こういう顔が出来るんだな」







第二回モンド・グロッソ決勝戦の最中で起こった誘拐事件は、ドイツ軍の情報網により織斑 千冬の手で織斑 一夏は無事救出。だが、それに伴い救出するために決勝戦を棄権し不戦敗。優勝者はシュハイクになるという結果になった。

最終日に起こった波乱を越え、モンド・グロッソは終幕したのであった。





/※/





「スウェン・カル・バヤン中尉、貴官は現場の指揮を任されていたのにも関わらず、身内を優先し指揮を放棄したと言う事に間違いはないな?」

「はい」


中将の椅子に座っている男性の目の前にスウェンは直れの姿勢で立っている。


「ならば貴官には然るべき懲罰を与えなければならない……貴官は“シュバルツェ・ハーゼ”の隊長の位を剥奪、そして一年の謹慎とする。以上、何か言う事は?」

「御座いません」

「よろしい、それでは下がりたまえ」

「はっ、失礼します」


敬礼の後、規則正しい動きで退室していくスウェン。そして数秒後


「失礼します!!」


ドン!!と部屋の扉を開けドカドカと入ってきたシュハイクが居た。


「シュハイク大佐、もう少し静かに……」

「スウェンを隊長を辞めさせるなんてどういうことだ! 父上!」


鬼のような剣幕のシュハイクを「やれやれ」といった表情で見る男性『ゲルハルト・オーディス』。シュハイクの父親だ。


「ここでは中将と呼べよ……これでも何とか刑を軽く出来たほうなんだぞ? 本来だったら軍を去ってもらなければならない状態だったし」

「そ、それでも……」

「はぁ……今回ばかりの事はお前でも予想外だったろうな」

「……まさか、スウェンがあそこまで感情的な行動をするな
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