第百四十六話 メメントモリ
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「スミルノフ大佐もいてくれて。今の部隊に入ることができて」
「そうだったんだ」
「そして貴方も」
ここであらためてアレルヤを見て言うのだった。
「今こうして一緒になれて」
「ねえソーマ」
そのアレルヤの声が優しいものになっていた。
「僕達。一緒にいられるかな」
「一緒に?」
「そう。一緒にね」
こうソーマに話すのだった。
「何時までも一緒にいられるかな」
「そうね。一緒にいたいわ」
これはソーマも同じことを思っていることだった。
「貴方と一緒に」
「僕達はずっと離れ離れだった」
「ええ」
「けれど。もう一緒にいられるんだ」
言いながらソーマの顔も見るアレルヤだった。
「ずっとね。いよう」
「死なないで」
ソーマはこうも彼に告げた。
「私も死なないから」
「君も死なない」
「そうよ。一緒にいたいから」
だからだというのである。
「私達はずっと一緒に。いたいから」
「わかったよ。僕は死なないよ」
アレルヤは今ソーマに対して誓ったのだった。
「何があっても」
「私も死なないわ」
ソーマもまた誓った。
「貴方を守る為に」
「僕もソーマを守る」
この思いは彼もまた同じなのだった。
「あの時と同じだよ、それは」
「あの時貴方が私を守ってくれた」
その四年前のことである。
「けれど私にも貴方を守らせて」
「うん」
そのソーマの言葉に頷いて答えるアレルヤだった。
「わかったよ。僕達はお互いに」
「お互いを守って」
「それで生きていこう」
こう話し合うのだった。彼等は今それを誓い合うのだった。これまで離れ離れになっていたその絆をもう一歩結びつけ合うかの様に。
彼等はその中で今それぞれの時を過ごしていた。そしてそれが終わる時が来たのだった。
「敵が!?」
「敵が来たの?」
「そうよ」
スメラギが皆に話していた。
「来たわ。遂にね」
「そうですか。イノベイターが」
「姿を現わしたんですか」
「ただしね」
ここでスメラギはさらに言うのだった。
「どうもかおかしいのよ」
「おかしい?」
「何かあるんですか?」
「敵は今月方面に来ているけれど」
まずはその進出方向について述べるスメラギだった。
「その中心に何かがあるのよ」
「何か?」
「何かって」
「あれを見て」
ここでまた言うスメラギだった。
「あの巨大な戦艦?違うわね」
「何でしょう、あれって」
「けれど何かあるわね」
スメラギはそれはわかるのだった。そして彼女だけではなかった。
「兵器なのは間違いないわね」
「よし、それじゃあ」
「攻撃ね」
「!?皆」
ここで叫んだ者がいた。
「散開して!」
「すぐにだ!」
プルとそしてプルツーだった。二人同時に皆に叫んだのだ。
「早く!」
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