第百四十四話 魂の凱歌
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人間だからだ。だからこそ彼女をアンドロイドとしても傍に置いているのだ」
「戯言を言うのもいい加減にしろ」
しかしヒューギはなおも否定するのだった。
「私はゼラバイアだ。ヒューギ=ゼラバイアだ」
こう言うのである。
「その私に対してそのようなことを言うとは」
「兄さん・・・・・・」
この時だった。声がした。
「兄さん、ジーク・・・・・・」
「何っ!?」
「やはり」
その声に対してヒューギは驚いた。サンドマンは納得した顔だった。
「ルフィーラ。まさか」
「彼女に心が宿ったのだ」
サンドマンは驚くヒューギに対して告げた。
「長い間貴方と共にいるうちにだ」
「心が宿ったというのか」
「そうだ。宿ったのだ」
こう言うのである。
「ルフィーラの心が」
「馬鹿な、そんな筈がない」
「では今の声は何だというのだ」
サンドマンはなおも彼に告げる。
「彼女の今の声は」
「くっ・・・・・・」
「彼女の心はある。そして貴方も人間だ」
こう告げるのだった。
「それを今はっきりさせよう」
「ほざけ!はっきりしていることはただ一つだ!」
ヒューギの声が叫びに変わっていた。
「ジーク!貴様の死だ!」
「今その決着もつける!」
サンドマンの目が光った。
「僕達の因縁に!」
「死ね、ジーク!」
二人は同時にそれぞれの最大の攻撃を繰り出した。
「超重剣!」
「受けてみよゼラヴィントソード!」
二人はお互いに剣を繰り出した。それにより断ち切らんとしていた。
「サンドマン!」
「御父様!」
エイジ達は赤と青の凄まじい衝撃が走る中を見た。双方の激突の中で彼等は消えていた。しかしその衝撃が消えた時だった。立っていたのは。
「くっ・・・・・・」
「終わった」
サンドマンは呟いていた。その超重剣を一閃させた彼だけが立っていた。ヒューギのゼラヴィオンは袈裟斬りにされそこからスパークを生じさせていた。
「ジーク、勝ったのは御前だったか」
「義兄さん、僕は」
「そうだな。私は人間だ」
ヒューギの顔が急激に穏やかなものになっていく。そのうえで言うのだった。
「私はな。人間なのだ」
「やっとわかってくれたんだね」
「今までそれを否定してきた」
そのことをだというのだった。
「それをな。だがもうそれはできない」
「人間であることを否定することを」
「そうだ。最早な」
こう言い続けるのだった。
「私はな。人間なのだ」
「うん。義兄さんは」
「そしてこうなることを望んでいたのだ」
こうも言った。
「御前に倒され。私自身の過ちを認めることをな」
「けれど義兄さんはわかっていた」
そのヒューギに対して問う。
「本当は間違っていたことを」
「人間だからだ」
しかしここでまた人間だと言うのである。
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