第百三十六話 小天使
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大統領も認められたことですし」
「押し切られてね」
「議会も認めたそうです」
民主主義としてこれは非常に大きなことであった。議会の決定は。
「しかも両院共」
「つまりあれね」
タリアもそこまで聞いて言うのだった。
「逆らうことは許されないってことね」
「残念ですが」
「わかってはいるわ」
それがわからないタリアでもないのだった。
「何を言っても仕方のないことはね」
「では艦長」
「わかっているわ。それじゃあ」
「はい」
「全軍に告げるわ」
あらためて指示を出すのであった。
「あの天使を捕まえて」
「えっ!?」
「今何て!?」
それを聞いて驚きの声をあげたのはルナマリアとメイリンであった。
「艦長、それって」
「まさかと思いますけれど」
ルナマリアはモニターから、メイリンは艦橋の自分の席からそれぞれタリアに問う。
「あの天使を捕まえて」
「まさか」
「言いたくはないけれどそうよ」
やはりこう答えるのであった。
「その通りよ」
「そんな、それじゃあ」
「そんなことをしたら」
「言いたいことはわかっているわ」
タリアも苦い顔のままであった。
「もうそれはね」
「私こんなことは」
「そうです」
やはりルナマリアとメイリンも言うのであった。
「あの博士と同じじゃないですか」
「そうです、絶対にできません」
「言っておくわ」
だがここでタリアは彼女達に言うのであった。
「私達は軍人ね」
「は、はい」
「その通りです」
ルナマリア達もその言葉に頷くのだった。
「それじゃあこれでは」
「ここはやっぱり」
「そうよ。従うしかないわ」
これが結論であった。
「嫌だって言ってもいいけれど」
「どうにもならない」
「そういうことですか」
「わかったわね。それでは作戦開始よ」
タリアはまた話した。
「いいわね」
「わかりました」
「それじゃあ」
彼女達もそれで頷いた。そうしてそのうえで戦いに入った。戦い自体は順調であり天使達の軍勢と退けていく。これ自体はよかった。
「しかしよ」
「そうよね」
さやかもまた甲児に対して言う。
「この作戦はね」
「へっ、何かとんでもねえ奴等がいるな」
甲児も誰がこんなことを言っているのか察しはついていた。
「逆らってもいいよな」
「できればね」
さやかの言葉もかなりやる気のないものであった。
「どうせ捕まえたらね」
「実験だな」
また甲児は応えた。
「嫌な話だぜ」
「しかしだ。甲児君」
その甲児に対して鉄也が言ってきた。
「命令は命令だ」
「わかってるさ。それはよ」
「だから従わなくてはいけない」
そして鉄也はさらに言うのだった。
「それに」
「それに?」
「ここで天使のことを知れば非常に大きい」
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