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遊戯王EXA - elysion cross anothers -
TRICLE STARGAZER
TRSG-JP010《冒頭に至る、始まりの終わり》
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る時には既に、"転生者"のメンバーは俺を除いて亡き者とされていた。


 ……"ヒュグロ"の灯を消し、ふと夜空を見上げる。

「……機械仕掛けの神(デウス・エクス・マキナ)、か………」

 本来なら、俺は既にこの世界にはいなかっただろう。しかし、星の観測者(スターゲイザー)を名乗る四人によって俺は二度も命を救われた。
 それだけではない。彼らの力によって夜神桜とアイシア(憑依)の二人を"転生者狩り"から誘拐し、アイシアに至ってはこちら側に寝返らせてしまったのだ。そして蓮と夜神の言っていたことから、"転生者狩り"最凶の【6軸リチュア】使いである水咲凍夜までも彼らによって殺された。

「全く、出来すぎた話だぜ……」

 これが御都合主義で無ければ一体何と言うのだろうか。こんなこと、それこそ舞台装置でも使わなければ成し得ない。


「ここにいたんですか、望月黒乃」


「な―――!?」

 油断した! そうだ、夜神はまだ寝返っていなかった。背後から突然響いた声に慌てて俺は夜神から離れ、右手に《トーラの魔導書》を呼び出し身構える。

「そ、そこまで拒絶反応示さなくてもいいじゃないですか……」
「いやいやいや、一度俺を殺しといて今さら何言ってんだよ!?」
「私にはもう戦う意思なんてありませんよ。ただ、黒乃に聞きたいことがあってきただけです」
「……聞きたいこと?」
「はい」

 そう言って、夜神はさっきまで俺の座っていた場所にしゃがみこむ。念のため"トーラ"は出したままで、俺は構えをといた。
 
「……黒乃は、どうして私を生き返らせたんですか?」
「……あー」

 それを言っていなかったな、そういえば。

「お前なら、俺の考えていることをわかってくれるような気がしたから」
「え……?」

 俺の答えに、夜神が目を見開く。

「夕飯の時も言ったけどな、俺は"転生者狩り"の活動理念について()同意できる」

 "転生者狩り"の活動理念。原作を悪意を持って壊そうとする"転生者"から原作を守り、被害を最小限に押さえる……所詮は原作至上主義。奇しくもこの考えは、このせかいに来た当時の俺と全く同じものだったのだ。

「……だけど、それを口実に人を殺すのは理解できない。転生者を無力化するなら転生特典(アンコールアビリティ)を没収すればいいだけの話だろ?」
「それだけではダメなんです。転生者は殺さないと……」
「なんでだ?」
「………え?」
「確かに、この物語(せかい)のために殺さないといけない奴だっているだろうな。だが……」

 一旦言葉を区切り、息を整える。そして、


「お前達が殺してきた転生者は、本当に全て殺すべき人間だったのか?」


「それは……」
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