控え室にて
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「感慨深そうだな」
俺がボソッと呟いた言葉にキリトは反応した。どうやら自分でも予想外なほど懐かしむ雰囲気を出していたようだ
「本当は一人にしか与えられないはずの勇者の如き力。それが二人に与えられた」
「俺はおまえなら背中を安心して預けられるぜ?」
そのキリトの言葉に軽く笑う
「俺はおまえの背中を守るんじゃねぇよ。おまえの背中を守るのはおまえのヒロイン(アスナ)の役目だ。俺はただ、おまえらが進むのを導く道しるべにしか過ぎない。でも……」
そこで言葉を切りキリトを見る。……ったく勇者っぽい顔をしてるよな
「今回だけは譲れない。譲らない。なぜなら俺の、俺だけのヒロインが苦しんでるんだ。だったら道しるべだとしてもそいつのヒーローとして助けてやらないといけないだろ」
「リン……」
キリトがつぶやくように俺の名前を呼んだ
「だからって手加減するなよ?」
キリトのことだから何も言わないと手心を加えそうだからなぁ
「……わかったよ」
ちょっと罰の悪そうな顔をする。やはりな
「もう、そろそろ第一試合が始まるぞ。出ようぜ」
「了解」
更衣室を出ると再び視線の波が襲ってくるが先ほどのシノンのものに比べれば軽い。いや、比べるのも酷か
シノンは……壁の隅で腕を組み目を瞑ってじっとしている
目線を向けると薄く目を開けたシノンと目が合う
「静かな闘志や殺意が一番怖い」
「……どうした、リン?」
「なんでもない」
誰にも聞こえないように言ったつもりが隣にいたキリトには聞こえたようだ。首を傾げたキリトに目を瞑って首を横に振ってやる
「もうすぐだな」
もう残り時間があと一分もない
「準決勝まで来いよ?」
「当たり前だろ。おまえこそ、途中で負けるなよ」
そう言った途端視界が光に包まれた
「……ふーん……」
視界が回復したとき、そこはニュートラルコーナーとも言える場所だった。対戦相手の名前は、LOVE&PIECE。……愛と平和って書こうとしたんだろが……なんでこの世界来てるんだ?どう考えてもこの世界に愛はともかく平和は無いだろ。それと綴り間違ってる。そのPIECEは欠片って意味になるぞ?
おっと、対戦相手の名前について思考してたら時間が危なくなってた
俺は急いでピースメーカーを二丁とサブ装備と弾丸を実体化させ服にある複数のポケットに分けて入れる
ちなみにフィールドは林
「隠れるところ、多そうだな」
某LOVE&PIECEさんがどんな武器を使うのか知らないが負けるわけにはいかないんでね
……悪く思うなよ
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