ララバイ編
EP.12 ジークレインとワタル
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にない、とか言ってませんでしたっけ?」
「……なんにせよ、面白そうな戦いになりそうだな」
「そうか? エルザの圧勝だろ、どうせ」
最強談義に花を咲かす者、勝負の結果を予想して賭ける者……外野には様々な者がいたが、当事者のナツとエルザ、そして審判のワタルは、それほど気にしていなかった。
「こうしてお前と力をぶつけ合うのはいつ以来だったかな……」
「あの時はガキだったが……今は違う! 今日こそお前に勝つ!! ワタル! 次はお前だからな!!」
「ほう……なら、私が勝ったら……次は私と戦ってもらうぞ、ワタル」
「……そういう話だったか? ……まぁいいや、分かったよ、エルザ」
エルザの言葉に首を捻ったワタルだったが、どうせ戦うなら別にいいか、と思って了承した。
「おいこら! 俺を無視するな、エルザ!!」
「別に無視してないさ。だが、そうだな……せっかくワタルと戦えるんだ……全力で行かせてもらうぞ、ナツ!!」
そう宣告すると、エルザは鎧を換装……赤と黒の鎧をその身に纏った。
その鎧の名は……
「“炎帝の鎧”、か……随分気合入ってるな、エルザ」
「まあな。安心しろ、ワタル。お前用にとってある鎧もある」
「……正直“煉獄”とか勘弁なんだが……まぁ、期待してるよ。……で、ナツ、どうする? 耐火能力の鎧だぞ?」
降参するか? とニヤニヤしながら聞いたワタルに対し……ナツは、不敵な笑みを浮かべ、両方の拳に炎を纏わせて合わせた。
「ヘッ! 誰が降参するかよ! 耐火能力の鎧なら……心置きなく全力を出せるだろ!?」
喧嘩っ早くて好戦的なこの青年に対し、ワタルは、相変わらずだな、と内心で苦笑して、審判の仕事をすることにした。
「……それでは……準備はいいな、エルザ、ナツ?」
「ああ」
「いつでもいいぜ!」
「では……始めっ!!」
ワタルの合図と共に、ギャラリーの歓声の中、ナツとエルザの試合が始まった。
「だりゃっ!!」
「フッ……!」
まず仕掛けたのはナツだ。炎を纏った拳はエルザに躱され、カウンターの剣閃はしゃがんで躱した。
続いた低い位置からの蹴り上げも、首を捻る事で躱され、再び剣閃が走った。
ナツはこれをバク転の要領で逆立ちして回避したのだが……
「甘いっ!」
「グッ」
エルザはすかさず足を突きだして地に着いた手を払い、ナツの体勢を崩し、切り掛かろうとしたが……
「カッ!!」
「クッ……」
ナツはそのまま、四つん這いの姿勢で火を噴きそのまま薙ぎ払った。
エルザは跳んで避けたが、当然火はそのまま観客席へ……
「“魂威・防”!」
行くはずもなく、ワタルの“魂
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