その後
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「それで?どうなったんだい?」
「記憶の破壊…だと」
場所は移り変わり、今神童達三人がいるのは学園都市内部にある大型の病院の前だ。
「…あの羽を頭に受けて記憶の破壊で済んでるほうが驚きだね」
それは神童も思っている事だ。
あの余波はドラゴンの息吹と同等の威力を秘めている。それを生身の人間が受けたのであれば普通は死ぬ。
…今回のこれは運がよかったのか、悪かったのか、いまいち判断に困る神童。
「まぁ…これで一安心だな」
神童は自分の右手に握られた一枚の紙切れを目で捉えながらそう呟いた。
神童の手に握られている紙は一枚の手紙であり、その差出人はローラスチュアート。つまりは神童
達の上司に辺り、ネセサリウスのトップである。
今回の神童達の行動含め、これからの三人の処罰が下されていた。
中には色々と面倒な言い回しがあったが、簡単に要約すると三人にはこれからもインデックスの監視を言いつけられていた。
「そうだね。まさかお咎めなしで済むとは思ってなかったけど」
「俺もそう思う。…ローラスチュアートが何を考えているか俺には分からん」
「それは僕にも分からないね」
神童はあの姿の変わらない女性の姿を思い浮かべるが、忌々しそうにその姿を消し去る。
今はこのことは忘れておこう、そう思った神童はもう一度あの少年が入っているであろう病室に視線を送り、誰に聞かすわけでもなく小さく呟いた。
「また何時か…」
また会うことはないかもしれないし、またどこかで出会うかもしれない。
そんなことは神童には分からないが、一種の期待をこめて神童はそう呟いた。
自分達の親友を地獄から救ってくれた一人の少年に。
「そう言えば、彼の名前を聞いてなかったね」
ステイルも少年が入ってるであろう病室を眺めながらそう呟いたが、しばらくしても返事が返って来ない。そのことに疑問を覚えたステイルは神童がいるであろう横に視線を向けるが、そこに神童がいないことに気づく。
あわてて辺りに視線を配ると、病院の反対側に歩いている神童の後姿を見つけることが出来た。
「置いてくなんて酷いじゃないか」
神童の横にあわてて並んだステイルはそう意見を述べるが、そのことについての返事は返ってこない。
その代わりに帰ってきた返事は…。
「上条当麻。それが彼の名前だ」
神童はその名を呟くと同時に思う。
先程は会うかどうか分からないといったが、恐らくは再び彼と会うことになるだろう、と。
近いうちに彼の隣に立つことになるだろう、と。
そして、それも悪くない、と小さく笑うのであった。
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