GGO編
百十一話 消えない叫び
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だ。
『あれー?スィだ、どうしたのー?』
『■、■■■こそ……一体、何してるの?』
『あはっ、何って……』
言葉が震えているのが自分でも分かった。そんな言葉に、あの子はとても、それこそ、いっそ不自然なほどにとても明るい声で返してくる。そうして、手に持った銀色の槍を……
『っ!?やめっ──』
『遊んでるんだよ♪』
銀閃と共に、振り下ろした。悲鳴を上げながら、男性プレイヤーがとても不快な音と共に爆散した。
『な、なんで……』
『?どうしたの?顔色悪いよ?』
彼女の言葉を遮るように、私は叫んでいた。
『なんで、そんな……殺し……殺すなんて……!!!?』
『わっ……』
『なんで!?その人を、今、どうして殺したり……』
混乱しながら言う私に、彼女は首をかしげて答える。
『どうして……?うーん、正当防衛……かなぁ?』
『せ、せいとう……』
『うんっ♪』
オウム返しに返した私に、あの子は相変わらず笑いながら言った。
『私ね、教えてもらったの!!あのね、スィ。この世界では、力が全部を決めちゃうんだよっ!レベル、数、武器、防具、情報!そう言う力が何もかも全部を決めちゃうの!それを持ってない人は、奪い取られるか、苛められるしかないんだよ!』
『え……?え……?』
『だから、私は苛められないようにもっともっと強くならなくちゃ!今の人も、いつか力を手に入れたら私の事をいじめに来るかもしれない!それなら、今ここで遊びながら殺しておいた方が良いかなって思って!!それにほら!』
続く言葉が、親友の口から出た物だと、私はしばらく信じることが出来なかった。
『“楽しいから!!”』
その言葉はまるで槌のように、私の頭を揺らした。
『たの……しぃ……?』
『うん!楽しいよ!みんな私を怖がった目で見るの!誰も私をいじめたりなんてしない!私今、とっても楽しいよ!』
そんな言葉を、彼女はとびっきりの笑顔で語った。そんな笑顔を見て、私は確信する。
──違う──
この子は、私の知っているあの子じゃない。
考えるよりも先に、口が動いて居た。
『そ、そんな……そんなの駄目!人を殺して楽しいなんて……お願い!元に戻って!!』
『?どうしたの?突然、』
『だ、だって、人を殺して楽しいなんて……そんな事、貴女は言う人じゃ無かったよ!お願いだから、元に『煩いなぁ、もう』え?きゃあっ!!?』
言葉を途中で遮られた、次の瞬間に、右肩に強烈な衝撃が来たと思ったら、私は尻もちをついて居た。
いつの間にか間合いまで入っていた彼女の槍に右肩を突かれたのだと理解するのに数秒を要し、後から自分のHPがガクンと減っている事に気が付いた。目の前に立った彼女を見上げるように見る。月明かりで、顔の片方が影になり、真っ黒に見え、左
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