第2章:おてんば姫とチャラ王の冒険
第5話:俺の周囲には必ず小うるさいのが居る
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(サラン周辺)
クリフトSIDE
私達は『つちわらし』というモンスターと戦闘を行っている。
と言っても最後の1匹をブライ様のヒャドで倒したところなのだが…
サランの町を出て数十回目の戦闘だ。
多分、普段平原を歩くより数倍も戦闘をこなしているだろう。
それは何故か!?
答えは簡単…リュカさんが大声で歌っているので、敵が聞きつけて寄ってくるのだ!しかも本人は一切戦わない。
何を考えているのだこの人は!?
この人の非常識さには正直参ります。
まさかサランのシスターである、シスター・パメラと昨晩男女の関係になっているとは思わなかった。
昼間熱心に口説かれても困り顔で断っていたのに、夜になりアッサリとベッドを共にするとは…神への誓いはどうしたのか!
この旅は気を抜く事が出来ないだろう…
アリーナ様がリュカさんの魔手に落ちない様、常に見張っていなければならない。
大体良く考えたら、リュカさんはご結婚されていると言っていた…どうやらとんでもなく不道徳な男である!
揚々と歌い続けるリュカさんを見て溜息が出てくる…
「ちょっとリュカ! 歌うのは構わないけど、敵が現れたら戦ってよね! この中で一番強いのだから、みんなと一緒に戦ってよね!!」
確かにその通りだ…いい加減頭にくる。
「嫌で〜す! 僕は戦うのが嫌いだから、その要求には応じませ〜ん」
「た、戦うのが嫌いって…じゃぁ歌わないでよね!」
アリーナ様は情けに口調で問い返し、歌う事を拒絶する。
「おいおいアリーナ…君は強くなる為に城を抜け出し冒険をしているのでは無いのですか? 折角実践という強くなる機会を提供しているのに、それをするなと仰るのですか? だったら大人しく城に帰れよ…お嬢ちゃんに冒険は向いてない!」
何という理論だ!? “自分は仲間の為に歌っている”とでも言うのだろうか?
どう考えたって歌いたいから歌っているだけだろうに!
私もブライ様も唖然としている…しかしアリーナ様は我らと反応が違い、憮然とした表情で言い放つ。
「やったろうじゃないの! もっと歌いなさいよ! どんなに沢山のモンスターが襲ってきても、この私が全部倒してみせるわ!」
あぁ…とんでもない事になってしまった………
クリフトSIDE END
(サラン周辺)
リュカSIDE
今まで冒険をしてきて初めて歌う許可が下りた(笑)
正式に許可されて無くても勝手に歌ってたからなぁ……
アリーナは良い子だけど、単純馬鹿だね。
「姫様…我らの事も考えて下さい! 我ら二人は、姫様の安全を考え付いてきているだけです。強くなる意志などございませんし、危険は少ない程良いと考えております! ご自身の我が儘で、我ら家臣の身を危険に晒すなど…王家の者として恥ず
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