第2章:おてんば姫とチャラ王の冒険
第3話:血圧の上昇には要注意!
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(サントハイム城近郊)
ブライSIDE
ワシの思った通り姫様は直ぐにサランへ向かうことなく、城付近で時間潰しをして居った。
予想外だったのは見知らぬ男と共に居り、そやつと一緒に冒険に出ると言い出した事じゃ。
ワシとクリフトも一片痛い目に遭った方が姫様の為じゃろうと考え、旅に同行するつもりで追っていたのだが、見知らぬ怪しい男が一緒だとは思っても見なかった。
しかも奴は、此方が素性を問うてもヘラヘラ笑いながら『だからイケメンのリュカ君だよぉ〜』とはぐらかしまともに答えない!
思わず『何時までもヘラヘラ笑って居らんで、自分の事を喋らんか!これから共に旅するのだぞ!素性を教えるのは当然じゃろが!!』と怒鳴ってしまう。
城内でもワシの怒号は恐れられている…陛下ですらワシに怒鳴られると泣きそうになるのに…
だが、この男はどうだ!?
『あはははは、おじーちゃんそんなに怒っちゃ血圧上がってポックリだゾ!(大爆笑)』
堪忍袋の緒が切れたワシは、リュカ目掛けヒャドを連発する!
だが我が目を疑った…まさか魔法を全て避ける人間が存在するとは思わなかった。
ワシのヒャドを全て避け間合いを詰めたリュカは、ワシの眼前にドラゴンを形取った杖を突き付け微笑んでいる。
しかし目は笑って居らず“敵対するなら容赦はしない!”と語っている…
暫く沈黙が包むと、また爽やかな笑顔に戻り杖を納めてくれた。
助かったのだと安堵の息を吐く…
そして頭を紫のターバンの上から掻きながら、溜息と共に自らの素性を語り出した。
初めからそうしてくれれば助かるのに…
ブライSIDE END
(サントハイム城近郊)
クリフトSIDE
リュカさんの素性は明らかになった…
ただ、とても信じがたい内容であり偽っている可能性も否定出来ない。
私もブライ様も胡散臭そうな表情を浮かべている。
「はぁ〜…だから説明するのは嫌だったんだよ!面倒な上、絶対に信じてくれない」
心底辟易した表情でリュカさんはウンザリしている。
しかし此方の疑問はもっともだと思う。
「しかしのぉ…お前の言い分を証明出来ねば…」
「じゃぁさ…お前が突如、3日後の世界に飛ばされたとする。何の予告もなく一方的にだ!そしたらお前はどうやって3日後の世界の人々に、自分は過去から訪れたと証明する!?」
「そ、それは………」
ブライ様の疑いに具体的な例で対抗するリュカさん…確かに証明のしようが無いですね。
しかし、そうなると善悪の判らない者と共に、アリーナ様を旅立たせる訳にはいかないだろう。
私とブライ様は黙って頷き合う。
「別に良いよ…もう信じてくれなくても!」
リュカさんは私達の感情に気付いたのだろう…
不貞腐れた口調で言い放つと、踵を返して我らか
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