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失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】
原作開始【第一巻相当】
第十三話「葛藤と決断」
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ろしく!」
髪を染め、耳と唇にピアスを付けた、いかにも不良といった出で立ち。どこかで見た覚えがあると思ったら、この人先生に手も足も出なかった不良生徒だ!
「ところで、なんであんたみたいな美人がこんな冴えない奴と仲良くしてるんだ?」
「うわっ」
小宮は徐に胸倉を掴むとそのまま片手で俺を持ち上げた。足が宙に浮き、襟が首を圧迫して痛む。なんて怪力だ……っ!
パッと手を離す小宮。力が入らず尻もちをついてしまう。遠巻きで見ていた生徒たちの声が耳に飛び込んだ。
「おい! あいつあの砕蔵だ!」
「あの、はぐれ妖の?」
「ああ。なんでもたちの悪いはぐれ妖で、相当の女好きらしく人間の女を襲ったりしていたらしいぞ。人間社会で問題を起こしすぎたから強制的にこの学園にぶちこまれたらしい」
――な、なんだよそれ……。じゃあこの人、すごい危ないってこと!?
「なあ、こんな奴放っておいて今から二人でどっか遊びに行かない? こんなクズみたいな男より俺の方が断然イイっしょ。ちょっと付き合ってよ」
ずいっと身を乗り出して威圧する小宮。しかしモカさんはそんな小宮を一瞥するだけで、俺を助け起こしてくれた。
「いくぞ月音。まだ回り終わっていない」
「えっ、あ……」
手を引くモカさんのされるが儘に着いていった。
しばらく歩いて回った俺たちは一息をついた。自販機で買ったトマトジュースを飲むモカさんに思い切って聞いてみる。
「あのさ……モカさんは何で俺なんかと仲良くしてくれるの? 俺って取り柄もなにもないただの男なのに」
モカさんは手にした缶ジュースを飲み干すと缶入れの中に入れる。
「ふむ、まあ強いて言うなら」
「言うなら?」
「お前の血が美味だったからかな」
何でもないように答えるモカさん。俺は食料ですかッ!?
「それに、お前はどこか私の妹に似ている」
「妹って、モカさん妹がいるの?」
「ああ、妹と姉が二人な」
そう言ってフッと笑ったモカさんは凄く優しい顔をしていた。なんていうんだろう、慈愛に満ちているというのかな。
「どこか放っておけないところなんか特に似ているぞ」
「弟感覚!?」
「お前が私の弟になるものか、馬鹿者め」
その「何言ってんだこいつ?」って目でみるのは止めてくれませんか。すごい傷つくのですが……。
分かってはいたけど、異性として見られないのはやっぱりきついな。いや、分かってはいたけどね。こんな美人な人に好かれるとは自分でも思わないし。
――あ、でも、感心を持
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