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失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】
原作開始【第一巻相当】
第十二話「陽海学園」
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った、着いてきなさい」
先生が向かった先はとある一室だった。プレートには生活指導室と書かれている。
中には長机が二つ、向かい合う形で配置されており、椅子が四つ置かれていた。
座るように促した先生は肩からペットを下ろし正面の椅子に腰かける。
「それで、話というのは?」
「その、実は――」
俺は先生にすべてを打ち明けた。自分が人間であること、妖怪の学校と知らず入学してしまったこと、ここにいたら命が危ないので辞めたいことを包み隠さず。
先生は時折頷きながら静かに話を聞いてくれていた。
「なるほど、道理で妖気を感じないわけだ。人間ならそれも頷ける……」
得心がいったように頷いた先生は改めて俺を見た。その目は穏やかだが、自然と背筋が伸びる。
「君の話はよく分かった。確かにただの人間がこの学園で生活するのは難しいだろう。不可能ではないが、今日を生き抜くという覚悟がないとやっていけないだろう。場合によっては命を落とす可能性もある」
――命を落とす……。普通なら笑い話だと一笑するような話だが、ここは違う。周りの人は全員妖怪なのだから、人間の常識は通用しない……。
恐怖で膝が震えるのを感じる。先生はテーブルの横に備え付けられた急須を取ると、お茶を入れ始めた。
「人間と妖とでは思考、価値観、倫理観が異なる。人間が豚や牛を家畜と思うように、妖にとって人間を家畜として見ている者も多い。もちろん、妖の全てがそうではないが、まだまだ共存といった考えが浸透していない今では、人間をただの餌として見ている者が多い。これは覆しようのない現実だ」
「あ、ありがとうございます……」
人数分のお茶を入れてくれた先生が俺の前にコップを渡してくれた。
「この学園は弱肉強食の面が強い。今まで暴力ですべてがまかり通って来たと思っている連中が通うのだから、自分の身を守る力というのが自然と要求される。見たところ、何か武術や退魔術を習っていたわけでもないだろう?」
「はい……。あの、退魔術って?」
「退魔術というのは妖怪を退治する退魔師が使う術だ。よく映画とかでいるだろう、エクソシストが妖怪を退治するシーンなんか。ああいうのだな」
「出来ません出来ません! そんな特殊技能持ってないですよ!」
だろうな、と苦笑した先生はコップを口に運んだ。俺もお茶でのどを潤す。あ、美味しい……。
「うーむ、自衛が出来ないとなると難しいか……。君の人生は君だけのものだからな、どうしても辞めるのであれば、先生は止めない。義務教育はもう終えたのだし、自分の道は自分で決められるだろう」
だけどな、と微笑
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