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失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】
原作開始【第一巻相当】
第十二話「陽海学園」
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自分の席である窓際から二列目の中間の列に座り首を捻っていると、先生がやってきた。
先頭を歩く男の先生は二十代前半だろうか。随分と若く、肩甲骨に届くか届かないかといった長さの後ろ髪を一括りにしている。その左肩には何故か白い子狐が乗っかっていた。
後ろを歩く女の先生は二十代後半から三十代前半だろうか。猫のように細い目をしているのが特徴的で、配布物と思われるプリントを抱えている。
出席簿を片手に教壇に立った男の先生が教室内を見回した。
「――皆さん、陽海学園への入学おめでとうございます。私はこのクラスの担任となった須藤千夜です」
――須藤先生か。良い先生だったらいいな。
一人一人の顔を見ながら話を進めていく先生。
「すでに皆さんも知ってのことでしょうが、この学園は妖怪が通うための場所です」
それを聞いて、唖然とした。今の俺は今まで生きてきた中で一番間抜けな顔をしていると思う。
――よ、妖怪!? え……えええええッ! 何言ってんだ!? 何言ってんだ先生――!?
周りを見てみるが、他の人は当たり前の話を聞いているかのような顔で話を聞いていた。ええっ、動揺してるのって俺だけ!?
「現在、地球は人間の支配下にあると言っても過言ではありません。そんな環境の中、妖怪が生き延びていくには人間と共存していくしか方法は無いと言ってもいいでしょう。個の力は妖怪の方が断然上ですが、人間には銃器を始めとした近代兵器や、妖怪退治を生業とした組織も存在します。人間と戦争が起これば滅ぼすことも可能でしょうが、妖怪もまた大打撃を受けるでしょう。そうならないためにも、この学園では人間との共存の仕方を学んでいきます。主にその授業では私が担当となりますね。人間に関して言えば、私が一番詳しいですから」
「先生、それはどういう意味でしょうか?」
「君は矢倉孝基くんですね。その質問の答えは簡単です。私がこの学園唯一の、人間の教師だからです」
ざわめく教室内。せ、先生は人間なのか……?
よかった同じ人がいた、と安堵の息を洩らしていると斜め前の席から声が。
「だけどセンセェ〜、人間なんてみんな喰っちまえばいいだろ。美女は襲えばいいんだし」
――ひぃぃぃぃ! 物騒、超物騒だよ! 何なんだ、何なんだよコレ!
何で俺、人間なのにこんな学校入れちゃてんだ……!?
ここの学校を紹介したのは父さんだった。道端を歩く神父さんが落としたものでそのまま持って帰ってきたらしい。
書類審査だけで入学できるとのことで、浪人を免れたと両親は大喜び。いかにも怪しい学校だったので気乗りはしなかったが、これ以上両
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