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失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】
原作開始【第一巻相当】
第十二話「陽海学園」
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独白をしていた朱染さんは混乱する俺を見て眉根を上げた。
「どうした、目なんか回して」
「いやいやいや、どうしたって……朱染さんこそどうしたの!? い、いいいきなり噛みついて血なんか吸って!」
「おかしなことをいう奴だな。バンパイアなのだから血を吸うのは当たり前だろ。それと、私のことはモカでいい。朱染だと呼び難いだろうしな。私は月音と呼ぼう」
「え?」
――バ、バンパイアって誰が……?
「もちろん、私だが? そういうお前はなんの妖怪なんだ? なかなか美味な血を持っているが」
俺の間の抜けた問に怪訝そうに答える朱染――いや、モカさん。
「バンパイアって――えええええええッ!?」
俺の悲鳴にも似た声が薄暗い空を駆け抜けた。
† † †
案内掲示板を元に割り振れられた教室に向かう。改めて見てみると、ここの学校の校舎は凄く広い構造をしていた。廊下も広いし、こんな校舎が三つもあるなんてまるで大学のようだ。
「あ、ここか」
一の三と彫られたプレートを確認し、教室の扉を開く。
「ここが今日から通う教室かぁ」
教室内には既に生徒が集まっており、グループ別に別れて談笑をしていた。その中でも時折、生徒たちが教室の一角に視線を向けている。
――あっ、モカさんだ……!
男女問わず注目の視線を浴びていたのは、先程知り合ったモカさんだった。自分の席に着席しているモカさんは腕を組んで目を瞑っている。
――やっぱり綺麗だなぁ……。
数多くいる生徒たちの中でもモカさんは突出した美しさを持っている、まるで野に咲く一輪の花のように。モカさんの座っている場所だけが違う空間のようだ。
モカさんの方をチラチラ見ている生徒たちが口々に言葉を交わす。
「だ、誰だあの子!? なんてサラサラの髪をしているんだ……!」
「美しい……変化にしてもあれ程美しくなれる奴なんていないぞ……」
「すごーい、どうやったらあんなにキレイになれるんだろー……」
「本当に綺麗よねー。髪はサラサラだし、眉毛はスッとしてしるし、線は細いし」
モカさんの美貌に見とれるクラスメイトたち。対してモカさんはそんな喧騒はまるで聞こえないとでも言うように微動だにしなかった。
――俺、そんなモカさんに血を吸われたんだよな……。
彼女は自分をバンパイアだと言っていたが、実際に吸血鬼なんているとは思えないし。バンパイアってどういう意味なんだろう?
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