SAO:アインクラッド〜神話の勇者と獣の王者〜
魔王の正体。そして……
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
》はSAOで最も反射神経の高いものに与えられ、その使い手が魔王と戦う勇者となる予定だった……。勇者はユニークスキルという選ばれた力を持つ者たちを集め、私と戦うはずだった……先駆者は君だよ、セモン君。君は最初の勇者として私と戦う先駆けだ。キリト君が《速さ》の勇者なら、さしずめ君は《力》の勇者かね」
ヒースクリフはキリトと、そしてセモンの方を向いて言った。
「……で、どうするんだ?ここで俺たち全員を殺して隠蔽するか?」
「まさか。そんなナンセンスなまねはしないよ。本来ならこれは、第九十五層で行われるイベントのはずだったのだが……私は一足早く、最上階の迷宮区《紅玉宮》にて待つことにするよ。なぁに。勇者と、私の育てた《血盟騎士団》を加えた攻略組なら、たどり着けるさ……」
――――育てた?
――――その言い方は、まるで《血盟騎士団》が、ただのモルモットであったかのような―――――
そう感じたのは、セモンやキリトだけではなかった。ヒースクリフの後ろに座り込んでいた血盟騎士団の幹部が、そばに落ちていた自分の剣を拾うと、ヒースクリフ改め茅場に切りかかったのだ。
「よくも……俺達の忠誠を……よくも……よくもおおおぉぉぉぉ―――――!!!」
しかしその刃は、ヒースクリフに、否。その近辺にすら届かなかった。
ドスッ、という、鈍い音が響いた。男の腹に、背中から漆黒の大剣が貫通していた。それは即座に上へと切り上げられ、男の体を真っ二つにした。当然のようにそのHPバーが消失する。何が起こったのか理解できない、とばかりに虚ろな表情のまま四散した男。彼の後ろに立っていた下手人を、セモンは知っていた。
直前まで、仲間として、長い時を共に戦ってきた存在だったからだ。
「――――ハザード……?」
《ボスモンスター・テイマー》のハザードだった。
ハザードが、口を開く。そこから流れ出た言葉は、想像を絶するものだった。
「……兄さんを、邪魔させはしない」
「え……兄、さん……?」
コハクの口から、驚愕の色に染まった声が出る。ほかのプレイヤーたちも驚きを隠せないようだ。
ただ一人、茅場のみが無表情。
「……馬鹿な……だって……ハザードの……秋也の本名は……!」
セモンが口走る。リアルネームを出していることなど、気にすることができない。
それにハザードが答える。
「……京崎は母方の名字さ。俺の本名は、茅場秋也――――知らなかったっけ?セモン……いや。清文」
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ