SAO:アインクラッド〜神話の勇者と獣の王者〜
魔王の正体。そして……
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てくれて、ありがとう」
セモンが言って、コハクを抱き寄せる。
「や、やだ、こんなところで……でも、どういたしまして」
コハクも真っ赤になりながらも微笑んで、セモンを抱き返す。
少しだけ場の空気が和んだ直後。
「キリト君!?なにを……!?」
アスナの、叫び声が響いた。
驚いて振り向くと……ちょうど、キリトがヒースクリフに向かってソードスキルを繰り出したところだった。
とっさのことに、さすがのヒースクリフも反応できない。その体に、キリトの剣が突き刺さ――――ることは、なかった。代わりに、《イモータル・オブジェクト》と記されたウィンドウが出現し、キリトの剣を跳ね返したからだ。
それは――――そのウィンドウは、SAOのプレイヤーに、絶対にあり得べからざるべきものだった。
「!!?」
「《不死存在》……?」
「……団長、どういうことですか……?」
コハク、セモン、アスナの順に、震え声で驚愕をもらす。
その問いに答えたのは、ヒースクリフではなくキリトだった。
「こいつのHPはシステム的にロックされてるのさ。どうやっても、イエローゾーンには陥らない……俺はずっと、疑問に思っていた。この世界を創り上げたあいつは、いったいどこで、この世界を鑑賞しているのだろう、と。だが、考えてみれば凄まじく単純で、簡単だったんだ。ちょっとその方面の知識があれば、だれだって知ってることだった」
そこでキリトは一度区切りを入れると、厳しい顔でヒースクリフを睨み付け、言い放った。
「『他人のやっているRPGをはたから眺めることほどつまらないことはない』……そうだろう。茅場晶彦」
茅場晶彦。この世界の創造主にして、唯一のGM。ナーヴギアの開発者。そして、フルダイブを引き起こす、《ニードルスシステム》そのものの製作者……。
「……なぜ気づいたのか、参考までに教えてくれるかい?」
ヒースクリフの『肯定』ととれる質問を聞き、幾人かのプレイヤーがよろめく。キリトは表情を変えないまま答えた。
「最初におかしいと感じたのはデュエルの時だ。あの一瞬、あんた、あまりにも速すぎたよ」
ヒースクリフは苦笑して言った。
「……やはり、あのときか。あれは私にとっても手痛い事件だった。キリト君の反射速度に対応するため、ついシステムのオーバーアシストを使ってしまった」
そしてヒースクリフは大仰に両手を広げて、言った。
「確かに私は茅場晶彦だ。付け加えれば、アインクラッド第百層で君たちを待つ最終ボスでもある」
「――――悪趣味だぜ。最強のプレイヤーが一転して最悪の魔王かよ」
「なかなか面白いシナリオだろう?《二刀流
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