第十二話『モンド・グロッソscene1』
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然発生する能力のことだろう?」
『そそ。暮桜の単一仕様能力は“零落白夜”。切り裂いた対象のエネルギー全てを消滅させるというスバらしい能力なのだよ! 詰まり、ISのシールドバリアーを斬り裂いて相手のシールドエネルギーに直接ダメージを与えられる事が出来るのだ!』
「……だが、自身のシールドゲージも消費するため、日本の言葉でまさに“諸刃の剣”といったところか」
『スーくん良くそんな言葉知ってるね〜! エライ、エライ!』
「からかうな……だが感謝する。それではな」
『えー! もう切っちゃうの? もっと聞きたい事ないかな、ないかな! 例えばこの束さんのスリーサイズとか――』
「切るぞ」
そうして通話が終了した。呆れた顔をしながら、スウェンは再び天井を眺める。
「……悪い奴ではないのだがな、あいつも」
/※/
「全員整列したな」
翌日の早朝“シュバルツェ・ハーゼ”の隊員達が、スウェンの前で一寸の乱れも無く整列している。
「今日の訓練は……まあ、昨日と同じだ。気楽とは言えないし、気を抜けとも言えない。だが、いつもどおりにやってくれれば構わん」
「けど向上心忘れる事無かれ、ですね! 隊長」
隊員の一人が笑みを浮かべて言うので、スウェンも思わず口元が綻ぶ。
「ふっ……ああ、皆頑張ってくれ。それでは始めてくれ」
「「「はっ!」」」
隊員達が後ろを向き、訓練に向かおうとしたとき
「この訓練で成績が一番よかった者が隊長の個人訓練を受けれるというのはどうだ!」
「「「賛成!」」」
「ちょ! 待て! 今日は午後から私が……」
ラウラが焦りながら異を唱えるが
「却下! それでは始めるぞ!」
「人を賭けの対象にするな……」
「良いではないですか、これで隊の向上に繋がるなら」
「そうは言ってもだな……」
「ふふっ、けどスウェン中尉が隊長になってから、前よりも隊が良くなってきてますからね。シュハイク責任官の思惑通りです」
「……それを聞くと何故か気に入らないが……まあ、こういうのも悪くは無いな」
「あれ!? 今、隊長笑いましたか!?」
「どうかな……」
スウェンは振り向く。
(この隊ならずっと居ても良いな。願う事なら、これがずっと続けば良い……)
そう願い、歩いていく。
だが、3年後に開催される第二回モンド・グロッソで起こるとある事件によって、その儚い願いは崩れさるのであった……。
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