フェアリィ・ダンス編〜妖精郷の剣聖〜
第四十五話 更なる高み
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、ソレイユはそれを先ほどのように薄皮一枚を切らすように避けていく。誰にでもできるようなことではない。しかし、そんなことでは何時しかシェイドの攻撃にあたる、というのがドロシーの考えであった。見えない敵を相手にしているというだけで人間はストレスを感じるし、精神的疲労も蓄積していく。突き詰めて言えば、通常よりも早く集中力が欠けてくるということである。だからこそ、ソレイユの集中が欠けるのがオチだとドロシーは読んだのだが、その考えが外れることになると知るのは五分後のことだった。
―――五分後―――
不可視のシェイドがナイフを投擲し、ソレイユがそれを避けるということのみが行われた五分間。ソレイユは反撃するどころか、攻撃すらしていなかった。辺り一帯には大量の投擲されたナイフが散らばっていた。
『馬鹿な・・・』
そう呟きたくなるのも仕方のないことだと思う。結局一発もソレイユには当たらないかったのである。
『一体、何をした?お前は・・・なんだ!?』
「・・・はぁ、種明かししてもいいけど、誰にも言うなよ?」
眼を開けたソレイユが一拍置いてソレイユが語りだす。
「ぶっちゃけた話、あんたがどこにいるのかもうお見通しなんだよね」
足元に落ちていたナイフを二本拾い、そのうちの一本を何もない方向へと投擲する。少し間をおいて、二本目を投擲するとくぐもった声と同時にシェイドの姿が現れた。
「ぐっ!?」
「まぁ、簡単に言うとだ・・・第六感ってやつだな。またの名を心眼」
「お前、説明する気ないだろ・・・」
「冗談だよ、冗談―――まぁ、あれだ。おれとてできるかどうかはやるまで半信半疑だったんだ」
「一体なにを、したのですか?」
ドロシーが恐る恐る尋ねるとソレイユは微笑して答えていく。
「空を視て、空を感じただけだよ?」
「空を視る?空を、感じた?」
ソレイユの言っている意味が解らない四人は首を捻るしかない。そんな四人にソレイユは説明を続ける。
「一つだけ聞くけど、空ってどこら辺からが“空”だと思う」
「どこって・・・あの辺からとちゃうん?」
ステラが指差したのはちょうど生えていた木の天辺である。
「残念ながら不正解だ」
「ほな、どこからなん?」
「・・・“空”にあるのは空気と水蒸気のみだ。そのほかには何もない」
「「「?」」」
「あー、なるほど。そういうことか」
「ルシフェルはわかったみたいだな・・・つまり、だ・・・地面より上のすべてが“空”なんだよ」
「で、では、それが先ほどのものと何の関係があるのですか?」
ドロシーの質問は当然と言えた。どうやってシェイドのあれだけの攻撃を避けたのか、どうやってシェイドの居場所を突き止めた
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