フェアリィ・ダンス編〜妖精郷の剣聖〜
第四十五話 更なる高み
[6/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
の一つ【ダミー・ボイス】もしっかりと発動しながら話しているあたり、手を抜く気はないということらしい。
再び、ナイフが投擲される。今度はソレイユの背後からだった。それを身を捻ることで躱すが、再び背後からナイフが投擲される。それを刀で弾くソレイユ。攻撃するときは【インビンシブル・インビジブル】は解けてしまうのだが、相手の死角から攻撃することでその弱点も補っていた。
シェイドは簡単にそれを行っているように見るが、実はそれは容易ではなく、誰にもできるわけでもない。弛まぬ訓練を得てようやく習得が可能になる技術なのである。魔法がないので当然といえば当然なのだが、ここまで研鑽された技術は分野は違えどSAOでも類を見ないほどであった。
「まぁ、さすがは≪六道≫に数えられるだけのことはあるものだ。たいしたものだよ、ホント」
『ずいぶんと余裕じゃねぇか。対処するのがやっとのくせによ!!』
「それはさっきまでの話しだろ。カラクリがわかればその対策をとることだってできる」
『はっ!だったらやってみろってんだ!!』
そういってどこからかナイフを投擲するシェイド。狙うはソレイユの首だった。このアルヴヘイム・オンラインにも当然クリティカル・ヒットなるものは存在する。それは人間の急所に位置するところと何ら変わりはない。だからこそ、殺傷力の低いナイフでソレイユを仕留めようとするのならばそれは必然的に急所を狙わざるを得ない。だが―――。
「「「『っ!?』」」」
次のソレイユの行動を見た全員が驚かされた。それはルシフェルとて例外ではなかった。簡潔に事態を述べれば、シェイドの投擲したナイフをソレイユが交わしたということであるが、その躱し方に四人が驚く要素があった。
その場から飛び退きながら躱したのなら、まだ四人の理解は及んだだろう。しかし、ソレイユは薄皮一枚切れるほどぎりぎりで躱したのだ。それを索敵を封じられた状態で、尚且つ死角から飛んできたナイフを見ないで、である。もっとも、驚くべきことはそれだけではなかった。
『何のつもりだ?』
「何が?」
『とぼけるな、勝負を捨てるつもりか!?』
シェイドが怒鳴ったわけはソレイユが納刀して目を瞑り全身の力を抜いた状態で唯立っているからであった。何処からどう見ても無防備にしか見えないその姿に怒鳴りたくなるのは仕方のない事だろう。だが、ソレイユはたった一言だけ言った。
「・・・・・・・・・・・・」
それ以降は唯々立っているだけである。その姿その言葉に憤りを感じながらもシェイドは新たにナイフを構える。
『・・・なら、後悔するんじゃねぇぞ!!』
そういって再びナイフを投擲する。しかも、今度は先ほどまでのように一本一本ではない。複数のナイフが次々にソレイユに迫ってくる。だが
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ