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ソードアート・オンライン〜漆黒の剣聖〜
フェアリィ・ダンス編〜妖精郷の剣聖〜
第四十五話 更なる高み
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何に?という質問は野暮である。
ルシフェルが離れると、あたり一帯を静寂が支配する。ソレイユは構えないままシェイドを見据え、シェイドは手にナイフを数本持ちながらソレイユを見据えている。永遠に続くと思われた静寂を破ったのは―――シェイドだった。
手に持っていたナイフをソレイユに目掛けて投擲した。しかし、そんな攻撃が≪剣聖≫の名を冠するほどの剣士に通じるはずもなく、ナイフの射線から体を傾け逸らすだけで軽々とかわす。

「―――っ!?」

しかし、それがいけなかった。ソレイユが視線をナイフからシェイドに戻そうとしたとき、先ほどまでいた場所にシェイドはいなかった。軽く驚くがすぐに周囲を探る。だが、シェイドの姿は見つからない。

「どこを見てるんだ?」

【それ】は背後から聞こえてきた。咄嗟にそちらに視線を向けると、すでに投擲済みのナイフがソレイユの顔面目掛けて迫っていた。刀を振るう間もなく慌ててイナバウアーのごとく身を仰け反らせて躱すと、その勢いで空中で一回転して体勢を立て直すがシェイドの姿は再び見つけられない。だが、早くもソレイユはシェイド行っているものの正体をつかんでいた。

「ミスディレクションで相手の視線を外し、その一瞬で幻属性魔法を発動させて姿を隠す、か・・・それだけ効果のある魔法ならスペルワードも長いだろうに・・・よくあんな短時間で詠唱できるものだな」

「っ!?」

『へぇー、よくこんな短時間で見破れたものだな。だが、だからと言って簡単に対処させるほど俺は優しくないからな!!』

「そこで簡単に対処させてくれるのなら、それは優しさではなく愚かというとおもうのだがな・・・」

ソレイユの呟きに驚いたのはシェイドではなく遠くから二人の決闘を見ているウンディーネの領主ドロシーだった。まさか、三十秒にも満たない時間でシェイドの【あれ】のカラクリに気が付くとは思ってもみなかったのだろう。先ほど、投擲したナイフでソレイユの視線を自分から外し、その隙にその相手の死角に回り込み【グリモワール】で習得した最上位幻属性魔法の中の一つ魔法【インビンシブル・インビジブル】をも発動した。この魔法は、姿が完全に消えるためタゲられることもなく、索敵を使わない限りプレイヤーの真ん前にいても見つかることはない。ただ、武器や魔法などで攻撃するときは、魔法は解けてしまうといったものだった。
SAO時代では視覚では見つからない相手には索敵を使うのが有効的であったため、ソレイユは索敵を行うが、シェイドの反応はなかった。それもそのはずである。シェイドは【インビンシブル・インビジブル】のほかにも、索敵に引っ掛からないように妨害する幻属性魔法【ジャミング】を発動して【インビンシブル・インビジブル】の弱点を補っているのである。声で位置がばれないように幻属性魔法
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