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第四十五話 更なる高み
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は茂みの中にある一本の木に刺さった。その時、ステラとドロシーの索敵に二人のプレイヤーが引っかかった。

「とっとと出てきたらどうなんだ?」

茂みの方へと声をかけるシェイド。数刻をおいて茂みから出てきた二人のうち一人を見たドロシーは先ほど以上に顔を真っ赤にして出てきた人物を見ていた。

「ル、ル、ル、ルルル、ルシ、ルシ―――」

「あー、よう。久しぶりだな、ドロシー」

定まらない口調でルシフェルの名前を言おうとするドロシーとバツが悪そうに挨拶をするルシフェル。どうやら二人は知り合いのようであるみたいだが、今はそんなことどうでもよい。軽くパニくっているドロシーを何とかシェイドが鎮め、改めてルシフェル(とソレイユ)に向きなたドロシーが最初に口にしたのは当然のごとく覗きに対する抗議だった。

「どうして、あなたがステラと一緒に覗いていたんですか!?」

「いや、こいつが覗いているところにたまたま俺らが通りかかっただけだぞ」

ステラを指差しながら経緯を説明するルシフェル。その言葉を信用できないのかもう一人いたインプ(ソレイユ)をみる。何を言いたいのかわかったソレイユはただ首を縦に振るだけだった。それを見たステラが裏切り者ーなどとぬかしていたが、ソレイユは完全に無視を決め込んでいる。

「わかりました。とりあえずは信じましょう・・・・・・それで、どこまで?」

後半顔を若干赤くしながら言葉足らずに聞くドロシーにルシフェルはバツが悪そうな表情を一変して、悪戯めいた表情をした。それを見たドロシーは嫌な予感が体中を駆け巡るがそれを回避する術を持っていなかった。

「安心しろ。おまえがシェイドにキスをせがんでいたところなんて見てないからよ」

案の定、予感は当たってしまった。一番見られたくないところを一番見られたくない人物に見られてしまった恥ずかしさとその時の自分の行動を振り返って湯気が出てもおかしくないほどドロシーは顔を真っ赤にして俯いてしまう。そんなドロシーの姿を忍び笑おうとするルシフェルであるが、全然忍び笑いにならないほど声をあげて笑っている。先ほどまでのバツ悪そうなお前はどうしたんだ、と無性にツッコみたくなったソレイユだがめんどくさくなりそうなのでやめておいた。ちらりと置いてけぼりを喰らっているシェイドの方を盗み見てみると、その顔は嫉妬の怒りに満ちていた。それを見たソレイユはなんとなく三人の関係が見えてきた。

「あー、笑った、笑った。んじゃ、ソレイユ・・・とっととレプラの領地に行こ・・・っと、あぶねぇ」

一頻り笑った後、本来の用事に戻ろうとしたルシフェルだが、翅を広げた直後右目に目掛けてナイフが投擲されていた。それをギリギリで躱し、飛んできた方向を見ると怒りが臨界点を突破したスプリガン領主がいた。


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