フェアリィ・ダンス編〜妖精郷の剣聖〜
第四十五話 更なる高み
[2/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
言いながら領主の逢い引きを見ながらニヤニヤしているウンディーネのプレイヤーの尻を蹴り飛ばすソレイユ。知り合いならともかく初対面でその扱いはどうなんだ、と言いたい人もいるだろうがいちいちそんなことを気にするソレイユではない。
「あいたっ!?ちょ、いきなりなにすんねん!!・・・・・・あ・・・」
ソレイユの蹴りで隠れていた茂みの外に転がり出てしまったウンディーネのプレイヤは蹴られた尻をさすりながら茂みの方にいるソレイユに抗議するが今の状況を改めて認識した。油の切れた機械のように首を領主たちがいた方に向けると、いきなりのことで状況が呑み込めないのか、ポカンとした表情で茂みに隠れていたウンディーネのことを見ているが、数刻を得てウンディーネの領主が(いろんな意味で)顔を真っ赤にして叫んだ。
「な、な、な・・・何であなたがここにいるんですかっ!!!?!?!?」
「や、やほー、領主様。こんなところで奇遇やね」
領主の叫びに引き攣った笑みと大量の汗を流しながら白々しく挨拶する覗き見していたウンディーネ。しかし、そんなことでこの状況を逃れられるほど世の中あまくない。
「ステラ・・・あなたという人は・・・」
黒いオーラを放ちながらステラと呼ばれたウンディーネにゆっくりと近づいていく。対して、ステラもステラでしっかりと対抗策―――というよりも地獄の道連れはしっかりと用意いていた。
「う、私だけやないで!他にも覗いてたもんはおるんや!」
覗いていたことを自ら肯定してしまうステラだが、その後に続けた言葉はしっかりと領主に届いていた。しかし―――
「・・・・・・どこにいるのですか?」
「どこにって・・・後ろの茂みにおるやろ?」
「・・・私の索敵には引っかかりませんが?」
―――という言葉にステラの顔が一層青くなる。慌てて索敵をかけてみても先ほどまでいたインプの二人の姿が感知できない。隠蔽魔法で隠れたかすでに逃走したかのどちらかであるのだが、そのどちらにせよ今のステラを助ける材料にはならない。むしろ悪化させてしまっている。
「・・・帰ったらわかっていますね?」
「・・・・・・はい」
顔は笑っているが瞳が笑っていない領主の言葉に頷くしかないステラ。そこで、今まで静観していたスプリガンの領主シェイドが話に入ってきた。
「あ〜、ちょっといいか?」
「何ですか、シェイド?」
いきなり話に入ってきたスプリガン領主にウンディーネ領主ドロシーは首をかしげながら聞いた。
「どうやら、そっちの娘の言葉はホントみたいだぜ?」
そう言って、腰に装備していた投擲用のナイフを一本抜くとステラが隠れていた茂みの方へと投げた。きれいな線を描きながら飛んでいくナイフ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ