第百三十二話 帝国の亀裂
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それでもだった。戦局は彼等に圧倒的に有利になっていた。
「あと一歩だ、このままだ」
「攻めるぞ」
彼等はそのまま攻撃に入る。しかしだった。彼等はそのまま一気にローザ達反乱軍を攻める。数で一気に押し切ろうとしていた。
ローザ達は基地に篭り健闘してはいた。しかしであった。
「くっ、最早これで終わりか」
「司令、第十二艦隊が消滅しました」
歯噛みするローザの下に報告が届く。
「最早我が軍はこれ以上は」
「持ちこたえることができません」
もう限界であった。やはり敵の数が圧倒的であった。
「このままではもう」
「我々は」
「これで終わりか」
そしてローザも諦めようとしていた。
「最早。これで」
「ローザ」
「無事か?」
モニターにテラルとクロッペンが現われた。
「軍は」
「そして貴殿は」
「どちらも今のところはな」
ローザは苦い顔で二人に返しはした。
「しかしだ。最早それもだ」
「限界か」
「やはり」
「貴殿等はどうだ?」
ローザは今度は自分から二人に対して問うた。
「それでだ。大丈夫なのか?」
「貴殿と同じだ」
「こちらもだ」
これが彼等の返答だった。
「これでわかるな」
「そういうことだ」
「そうか」
ローザは表情を見せずその言葉を聞いた。
「よくわかった」
「だが最後まで戦うぞ」
「それでよいな」
「無論だ」
彼等はそれでもなのだった。
「戦わなくてはならない。いいな」
「うむ、その通りだ」
「ここが死に場所だ」
やはりローザは最初からそう決めているのだった。
「それでいいな」
「わかっている。何としても」
「最後まで戦う」
彼等はそのまま戦おうとする。彼等は今まさに滅びようとしていた。しかしその時だった。
「何っ!?」
「まさか!?」
帝国軍の方で異変が起こった。
「それはまことか?」
「嘘ではないのか?」
「残念ながら」
部下達がそれぞれの指揮官に報告していた。
「十の基地が陥落し」
「そして補給も通信も途絶えました」
このことを告げるのだった。
「僅か一日にして」
「我が軍は最早」
「馬鹿な、そんな筈がない」
「そうだ、有り得ぬ」
指揮官達はその報告を聞いても信じようとはしなかった。
「ロンド=ベルはまだ先にいた筈だ」
「それで何故なのだ?」
「わかりません。ですが」
「基地は実際に」
陥落している。これは事実だった。
「そしてロンド=ベルの行方はわかりません」
「何処にいるのかさえも」
「しかも奴等が行方不明だと!?」
「まさか」
彼等はそれを聞いてさらに狼狽した。
「ではまさかこちらにも」
「来ているというのか!?」
「それはわかりませんが」
これは確かなことはわからなかった。しかし。
「ですがそれ
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