第百二十八話 大兵力
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「止むを得ん」
軍人としての決断はそれしかなかったのだ。
「ここはな。戦うしかありません」
「くっ、確かに」
「今は」
「前進開始だ」
彼は己が率いる全軍に告げた。
「いいな」
「はい、それでは」
プロザウルスが応える。テラルもそれに動きを同じくさせ彼等も戦いに参加した。
しかしだった。それでも戦局は一向に好転しなかった。四時間の戦闘が過ぎ二千万の大軍が失われようとも。ロンド=ベルは一機も失ってはいなかった。
「さあ、来やがれ!」
甲児がマジンカイザーの中から叫ぶ。
「これで終わりかよ!」
「生憎おいら達はピンピンしてるだわさ!」
ボスも叫ぶ。
「この程度でやられたりしないだわさ!」
「おのれ、まだ一機も撃墜できていないではないか!」
博士もそれを見て叫ぶ。
「攻めよ、まだだ!」
「いや、今回はこれ以上は無理だ」
だがクロッペンがここで彼に言うのだった。
「最早戦力を送られる限界だ」
「何だとっ!?」
「一時撤退だ」
そしてこうも言うのだった。
「いいな。殿軍は私が引き受ける」
「私もだ」
テラルも後詰を引き受けてきたのだった。
「いいな。ここは下がれ」
「ええい、黙れ!」
しかし博士はそれを聞こうとはしない。
「わしはまだ戦う!まだだ!」
「いや、最早戦力は五百万を切った」
「最早倒せん」
こう言うのである。
「最早な」
「撤退するのだ」
彼等は下がらせる。博士は強引に撤退させられ戦闘は終わった。木星での戦いはこれで終わった。しかしそれは完全ではなかった。
「やれやれ、勝ちはしたが」
「大変な戦いだったわね」
マリアが兄に応えていた。
「どれだけいたっけ。二千万?」
「三千万程度は倒したな」
実際に帝国軍はそのまで投入していたのだ。
「だがこれでまた帝国軍の戦力は減らした」
「そうね。三千万だからね」
マリアもそれを言うのだった。
「けれどあの博士大丈夫かしら」
「大丈夫ではないな」
鉄也が言った。
「おそらくこの敗戦でさらに怒り狂っている筈だ」
「じゃあいよいよ何をしてくるかわからないってことね」
「今分析結果が出ました」
テッサがここで皆に言ってきた。
「博士の性格と今わかっているだけの帝国の科学力を考慮しますと」
「どうなんだ?」
「木星を爆破します」
何とその通りの分析であった。
「そのうえで私達を木星ごと」
「また随分と無茶な作戦だな、おい」
フォッカーはそれを聞いて思わず言った。
「俺達を木星ごとかよ」
「つまりそれだけ本気ということでもありますね」
マックスはこう考えるのだった。
「あの博士も」
「あの博士なりにはってことかよ」
「そうなるのね」
柿崎とミリアも言う。
「まあどっちにしろそんな馬鹿な作戦
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