第百二十七話 テラルの動揺
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を言うか!」
「何っ、指揮権は私にもあるのだ!」
「私にもだ!」
流石に今の言葉にはクロッペンもテラルも呆然となった。さらにだ。
「それは殿下から預けられたものだ」
「そうだ。司令官としての権限は」
「負け犬共が何を言う」
博士は血走った目で二人に言い返してきた。
「悔しかったら勝ってみよ。そして奴等を倒す手段を考えるのだ、わしの様にな」
「友軍を巻き込んでか」
「木星を爆破すれば我が軍とてそれに巻き込まれるのだぞ」
「そんなこと知ったことではないわ!」
博士の狂気は止まらない。
「ロンド=ベルさえ倒せればそれでよいのだ。黙っておれ!」
「テラル殿、最早これは」
「うむ」
もう彼等には打つ手はなかった。
「下がるとしよう」
「そうだな」
「兵を集めよ!」
博士の狂気の言葉が続く。
「集められるだけだ!」
「集められるだけですか」
「そうだ。その全てを集めよ」
部下達に対しても告げる。
「そしてそのうえでロンド=ベルを叩き潰す」
「わかりました」
「そしてだ」
まだ狂気は続くのだった。
「いざとなればだ。よいな」
「木星をですね」
「そうして惑星ごと奴等を消し去ってくれるわ」
「うむ、その通りだ」
そんな話をしていた。そうしてそのうえで戦いに備えていく。だがそれはあくまで彼のエゴに基く戦いであり狂気に満ちたものであった。
第百二十七話完
2009・5・9
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