第百二十七話 テラルの動揺
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博士の考えは変わらない。
「このままな」
「わかりました。それでは」
「そのように」
「攻め続けよ!」
彼はまた攻撃命令を出した。それにより帝国軍は全て前面に出た。しかしそれで後方がおろそかになり。ロンド=ベルはここでまた動いた。
「よし、今だ!」
「行くぜ!」
その伏兵が出て来た。そうして前面にだけ気を取られていた帝国軍を取り囲んでしまったのだった。完全に包囲してしまったのだ。
「よっし、こうなったらよ!」
「あとは抹殺あるのみ!」
「地獄に落ちろ」
オルガ、クロト、シャニが前に出る。そうして一気に攻める。
二百万の帝国軍は忽ち取り囲まれ殲滅されていく。それは最早戦いではなかった。
ただただ帝国軍だけがやられていく。二百万の大軍は瞬く間に六割を失ってしまっていた。
「くっ、退くな!」
「ですが司令!」
「黙れ!」
博士は撤退を言おうとしたその部下に対して何と鞭を振るった。それも電気鞭である。部下は忽ちのうちに電流に打ちのめされ黒焦げになって倒れる。
「わしが指揮官だ!そのわしに逆らうか!」
「い、いえ」
「それは」
流石にそれを見て何かを言える者はいなかった。
「何もありません」
「ではここは」
「そうだ。戦え」
やはりそれしかなかった。
「よいな戦うのだ。いいな」
「では司令、このまま正面をですか」
「突破するのですね」
「そうだ。包囲なぞどうということはない」
彼は既に何もかもが見えなくなっていた。
「敵の正面を突破しそのうえで反転すればそれで終わりだ。よいな」
「わかりました、それでは」
「このまま突破して」
「反転しそのうえで包囲し返すのだ!」
現実は無視していた。
「よいな!」
「は、はい!」
「それでは!」
電気鞭には逆らえない。そうして今帝国軍は無謀にも護りを固めているロンド=ベルの正面に対して突撃する。しかしアステロイドに籠る彼等を抜ける筈がなかった。
「愚かなことだ」
リーがその彼等を見て言った。
「今の我等を突破できる筈がない」
「じゃあ艦長さんよ」
それを聞いたカズマが彼に問う。
「帝国軍はこのまま殲滅できるんだな」
「確実にな」
リーは既に勝利を確信していた。
「できる。こちらはこのまま攻撃を続ければよい」
「よし、わかったぜ」
「お兄ちゃん、来るわよ!」
「ああ!」
ミヒロの言葉に応えたうえで彼は再び立ち向かう。攻撃は終わることなく延々と続いている。しかし帝国軍は突破できず損害だけが増えている。
「おのれ、何をやっている!」
「司令、駄目です!」
「突破できません!」
激昂する博士に対して部下達がまた告げる。
「敵の護りは堅固です」
「どうされますか?」
「そんなことは言うまでもないわ!」
やはり博士の考え
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