第百二十六話 黄金色の目
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」
「我等がこの宇宙を治める存在として」
「宇宙は支配者が必要なんだよ」
リボンズはまた言った。
「そしてそれは僕達こそが相応しい」
「その通りだ。それでは」
「私達は」
「神は過ちを犯さない」
リボンズの言葉は既にそれだけは神になっていた。
「そう、決してね」
「だからこそ我々は今は」
「然るべき時に備えていく」
「そういうことだよ。さて皆」
モニターに映る木星を見ていた。
「木星では。さらに面白いものが見られるよ」
「次の帝国の司令官は」
「テラルだったか」
「そう、彼が出るんだったね」
リボンズはここでも楽しそうに笑うのだった。
「彼・・・・・・いや」
「いや?」
「彼女と言うべきかな。やけに女性的だしね」
「あれは男ではないのか?」
「そうよ、あれは」
「僕もそう思うけれど少しね」
だがここでリボンズはふと首を捻るのだった。
「何か妙なものも感じるんだよね」
「妙なものをか」
「何かな。おかしなものを感じるんだよ」
彼はまた言った。
「それを言ったら帝国自体がだけれど」
「帝国自体が」
「どういうことなの、それって」
「まあ気のせいだろうけれどね」
リボンズはそういうことにするのだった。
「神にわからないことなんてないんだからね」
「そうだな。その通りだ」
「神は全てをわかる存在」
彼等はそれで自己完結してしまった。
「それならばやはり」
「気のせいね」
「そうだね。それじゃあ」
また言うリボンズだった。
「僕達も木星へね」
「うむ、行くとしよう」
こうしてイノベイター達も撤退していく。しかし彼等は結局のところ何一つとしてわかっておらずそしてそれに気付いてもいなかった。
第百二十六話完
2009・5・6
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