第百二十四話 ローザの懸念
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「この戦い、もらった」
ガルドは敵艦に拳を入れていた。すると装甲が異様な形にひしゃげていく。
「こうしてな。潰させてもらう」
「おうよ。やってやるさ!」
二機のマクロスだけでなく他の面々も次々と基地中枢に飛び込んでいく。そうして中枢はすぐに陥落寸前に陥った。ローザはそれを見て最後の判断を下そうとしていた。
「よし、このまま最後の突撃です」
彼女もまたガロと同じであった。
「私達もまた」
「いや、待て」
しかしここで通信が入った。
「それはならん」
「その声は」
「殿下ですか!?」
「そうだ、その通りだ」
やはり彼であった。シンクラインが不敵な笑みと共にローザの乗艦のモニターに姿を現わしたのだった。相変わらず傲然とした顔である。
「私だ」
「殿下、何故ここに」
「どうして」
「言うまでもない。指示を伝える為だ」
モニターから言うのだった。
「御前達にな」
「我等にですか」
「そうだ。今は撤退せよ」
彼は言った。
「このままだ。後方に撤退せよ」
「撤退、ですか」
「ガロは愚かだった」
彼はガロについても述べた。
「無駄死にだった。しかし御前達はまだ役に立ってもらう」
「役にですか」
「我々が」
「そうだ。駒は少しでも多い方がいい」
彼は言うのであった。
「だからだ。今は撤退せよ」
「ですが殿下」
しかしここで参謀の一人が言うのだった。
「我が軍の軍律は」
「そうです。撤退は」
「私が法律だ」
しかしシンクラインは傲然とこう言い切ったのだった。
「これ以上の反論は許さん。撤退せよ」
「は、はあ」
「そこまで仰るのなら」
彼等もこうまで言われては頷くしかなかった。
「殿下のおおせの通りに」
「撤退させて頂きます」
「そうせよ。よいな」
「はっ、それでは」
「そのように」
これで彼等の撤退が決まった。しかしそれでもローザの顔は曇ったままであった。
「ガルラ帝国」
彼女はシンクラインがモニターから消えてから一人呟くのだった。
「やはり。私達を手駒としか見ていない」
シンクラインの言葉からそれを察するのだった。
「それはつまり私達もまた」
「姉上」
しかしここでまたミランが声をかけてきた。
「早く御命令を」
「はっ・・・・・・」
「御命令を御願いします」
「そうでしたね」
ここで我に返ったローザだった。
「それでは。今より」
「御願いします」
「わかりました。では全軍撤退です」
ローザはここで指示を出したのだった。
「第三の基地まで。宜しいですね」
「はい」
こうして彼等は撤退した。第二の基地もロンド=ベルのものになった。彼等はこの戦いもまた幸先よく勝利を収めることができたのであった。
「よし、次はだ」
「第三の基地ですね」
「そ
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