第百二十二話 奴隷解放
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く答えるのだった。
「そういうことですね。じゃあ」
「このまま前進です」
ルリはまた言った。
「そして収容所にです」
「了解」
「それじゃあ」
こうして彼等は後方の敵に気付きながらもそのまま収容所に向かう。敵軍を率いるクロッペンはそれを見て仮面の下から言うのであった。
「ロンド=ベル。やはり切れるな」
「切れますか」
「ここで我々に対して向かって来ない」
彼はそれを言うのだった。
「これだ。向かわずに収容所にただ向かっている」
「はい、確かに」
「我が軍に気付いているようですが」
クロッペンの周りの将軍達もそれに応える。
「おそらく我が軍と戦っても時間の無駄だとわかっているのだ」
「時間の無駄ですか」
「そうだ。既に援軍は用意してある」
やはりルリの読み通りであった。
「その都度彼等を反転させそのうえで収容所に兵を固めさせる」
「はい」
「そして最後は挟み撃ちだ」
彼等はこう考えていたのだ。
「そのつもりだったがな」
「それを読んでですね」
「ロンド=ベル。ただ強いだけではありませんか」
「強いだけで常に圧倒的な数の我が軍を退けることはできない」
クロッペンはまた言った。
「そう、決してな」
「確かに。それは」
「その通りです」
将軍達はここでも彼の言葉に頷くことになった。
「では将軍、我等は」
「どうするべきでしょうか」
「我等もこのままだ」
クロッペンは言った。
「このまま追跡を続ける。いいな」
「はっ、それではそのように」
「このまま」
こうして両軍は奇妙な進撃を続けた。そうしてロンド=ベルは遂に収容所の前まで辿り着いた。見ればそれは巨大なコロニーであった。
「コロニーか」
「あそこが収容所か」
「そうだ」
ガスコンが彼等に対して答えた。
「あそこがだ」
「見れば敵はいないが」
「どうしてなの?」
「敵は中にいる」
ガスコンはその事情を彼等に説明した。
「もうすぐだ。来るぞ」
「来ますか」
「もう敵のレーダーには捉えられている」
既にそれを知らせる警報が鳴り響いていた。
「そして後ろから来ている連中からも連絡がいっているからな」
「まあそうだな」
弾児はガスコンの言葉を聞いて頷いた。
「そうなるのが道理だな」
「それでどうするんだ?」
剣人はそんなことはどうでもいいといった口調だった。
「このままやられるわけじゃねえよな」
「当然だ。俺は行く」
ガスコンが真っ先に前に出た。
「今からな」
「よし、じゃあ僕も行くか」
「はい、万丈様」
ギャリソンが万丈に対して答えてきた。
「ダイターンの整備とワックスがけは今終わりました」
「うん、グッドタイミングだよギャリソン」
「有り難うございます」
「よし、じゃあ囚われの人達を
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