第百二十二話 奴隷解放
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うだけであった。
「ただそれだけのものです」
「そうか。ならば御前達にも命じる」
シンクラインは彼等にも指示を出すことにしたのだった。
「その地球人共をだ」
「どうせよというのですか?」
「裁け」
左手の人差し指でリボンズを指差しながらの命令であった。
「御前達の言うそのやり方でな」
「はい、それでは今から」
「容赦するつもりはないな」
「無論です」
また平然とした顔で応えるリボンズだった。
「神は人を治めるものです」
「神か」
「そう、時として罰も下します」
傲然と言葉を続けるのだった。
「そしてその罰は無慈悲なものでなければなりません」
「無慈悲か」
「それでいて絶対の」
こうまで言うのだった。
「存在なのですから」
「だからこそか」
「そうです。容赦?何故する必要があるのです?」
リボンズの言葉は続く。
「人間なぞに」
「では御前達も行くがいい」
シンクラインは彼等に対して出撃命令を出した。
「そしてその裁きを与えるのだ」
「はい、それでは」
リボンズはにこやかな笑みを浮かべてその場を後にした。だがシンクラインの周りの者達はその彼等を見ていぶかしむ顔で主に告げてきた。
「殿下、あの者達は」
「信用は」
「わかっている」
彼等にもはっきりと答えるシンクラインだった。
「あの者達のあの傲慢さ」
「はい」
「好きになれぬ」
己のことは置いておいてだった。
「到底な」
「そうですか。やはり」
「あの者達が」
「しかもだ」
彼はさらに言った。
「企んでいるな」
「企んでいますな、確かに」
「間違いなく腹に何かあります」
それも読んでいる彼等なのだった。
「あの者達は」
「特にです。あの小僧」
リボンズのことだった。
「あの小僧は特に」
「これはまさかと思うのですが」
そしてさらに言うのだった。
「殿下の御命も」
「隙あらば、か」
「そう思うのだがな」
家臣同士でのやり取りだった。
「あの小僧ならやりかねないぞ」
「そうかもな。あの目はな」
「それもわかっている」
そしてシンクライン自身もそれを読んでいるといった目であった。
「あの小僧。野心も持っている」
「はい、間違いなく」
「あの小僧だけは」
「だからだ。消えてもらいたいものだ」
彼は言うのだった。
「できればな。ロンド=ベル共々な」
「だからこそ出陣させたのですね」
「今このようにして」
「その通りだ。失敗すればその咎を責める」
この考えもあるのだった。
「よいな。それでな」
「はっ、ではその用意もしておきましょう」
「そして用が済めば」
「消えてもらう」
シンクラインもまたイノベイター達を信じていないのだった。戦いの中でも謀略が渦巻きそれが戦いをさらに極彩
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