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赤髪の刀使い
間違えるのは勝手です
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私は一仕事終えた後、適当にフードと髭を消して街を散策していた。
情報屋のアルゴの恰好をしていては心無いプレイヤーから命を狙われる可能性があるからね。

狙われるだけに十分な情報を私は持ってる。

今はタフトをぶらぶらと歩きながら情報を集めていると見覚えのある黒尽くめが楽しそうにプレイヤーと話しながら街に入ってきた。

(キリトに…えーと…あとは…サチさんでよかったかな?)

黒尽くめは攻略組のソロの一員でβテストのときから付き合いがある奴でキリトっていうプレイヤーネームね。
サチさんというかこのソードアートオンラインの中での女の人口は極端に少ないから大体の女性プレイヤーの名前は覚えた。
たまーに女性プレイヤーネームの男性がいるからややこしいときもあるけど、なんとかなる。

私は自然とキリトたちの集団の後ろをついてきてしまっていた。

(面白い情報がありそう)

こんな不純な動機だけで。






結果。
途中経過を軽くすっとばすとキリトはこのギルド《月夜の黒猫団》に加入した。
しかもレベルと偽って。

(これはまずいことになるかもしれないわね)

なんか私の女の勘がやばいと警告してくる。
下手したらこのギルドは全滅するかもしれない…でも、今ここで近付くにはリスクがありすぎるし…
ユウに見張ってもらうことにしましょう。
私は極ビルドだから戦闘には向かないし、攻略組のためのボスの情報とかも集めないといけない。
ユウなら実力もあるし問題はないわ。


sideout





「んー」

俺は今アルゴに頼まれた《月夜の黒猫団》というギルドを見ているんだが…

(楽しそうだねぇー)

このギルドにアルゴは何の危機感を抱いたのか分からないが、それぞれのレベルがよく分からないから何とも言えないけど、見た感じ安全マージンはしっかり取ってるしアルゴのいうみたいにギルドの壊滅なんてことはないと思う。

それにしても後衛に分類されるような槍から前衛の片手剣に転向させるのは無茶だと思う。
俺が基本自分の獲物の大太刀しか使わないのは他の獲物を使っても大したことができないからだ。
一応素人なんかよりはまともに使えるといっても慣れていない武器で戦闘なんて怖くてできない。

確かに両手で扱う必要のある槍よりも片手で盾を持つことのできる片手剣は防御力の面ではとても強い。
しかし槍よりも前衛の片手剣なんかではモンスターから感じるプレッシャーというものも全く違う。

(接触してみるか)

アルゴからは必要なら接触しても構わないし、いざとなったら自分の名前を出してもいいと言われた。
《鼠のアルゴ》の名前はSAOの中じゃ《黒の剣士》や《閃光》みたいに有名だからな。

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