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ヘタリア大帝国
TURN56 ゲイツランドの壁その六
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「今太平洋にはいないからな」
「シカゴとかテキサスに赴かれてますね」
「そこで軍の再編成にあたっておられますね」
「それで太平洋から離れておられますね」
「今は」
「ガメリカ軍も人手不足だよ」
 キャヌホークは今度はやれやれといった顔で述べる。
「軍人は育てないとできないしね」
「そうです。徴兵してできるものではありません」
「それはとても」
「色々と難しいんだよ」
 軍人を育て役立たせる様にするにはかなりの時間と費用が必要だ。それはガメリカ軍にしても同じで彼等も軍人の数は限られているのだ。
 それで今もこう言うのだった。
「全く。助っ人が欲しいよ」
「ダグラス司令もおられれば」
「かなり楽ですが」
「俺もそう思うよ」
「ですね。本当に」
「何かと辛いですね」
 部下達もキャヌホークと同じ顔で話をしていく。そしてだった。
 彼等は今はゲイツランドの守りを固めていた。キャヌホークは要塞ノートンとソーラレイを軸に太平洋軍を迎え撃とうとしていた。
 両軍の戦闘の時が迫る中でその成り行きを見守っている者達がいた。彼等はというと。
 エイリスだった。セーラは浮かない顔でイギリスに言っていた。
「おそらくですが」
「太平洋戦線だよな」
「ガメリカは負けると思います」
 曇った顔でイギリスにこう話す。
「ハワイでの敗戦だけでなく」
「カナダやアラスカもだしな」
「後はガメリカ本土だけです。最早太平洋軍との力の差は明らかです」
「西から呼応する筈の中帝国もガメリカのハワイでの敗北を受けてな」
「はい、動けません」
 彼等はあくまでガメリカが勝った場合に動く手筈だったのだ。それができないからだ。
「両国だけは気付いていませんが」
「劣勢だってんだな」
「明らかに。ここでゲイツランドとUSJで敗れれば」
「勝負ありか」
「そしてです」
 セーラはさらに言う。
「そのゲイツランドとUSJでもです」
「ガメリカは負けるか」
「そうなります」 
 セーラは有能な軍人でもある。それ故にそこまで見抜いていた。
 これは彼女が第三者の立場、連合国とはいえその立場にいて双方から離れた立場にあるからこそ言えることだった。彼女は今至って冷静だった。
「確実に」
「そうか」
「日本は太平洋を掌握します」
 それも間違いないというのだ。
「ガメリカと中帝国はその軍門に降ります」
「まずいな、そりゃ」
「ですがそうなれば」
「そうなれば?」
 イギリスはその目を鋭くさせてセーラに問い返した。
 今二人は王宮の一室で向かい合って茶を飲みながら話をしている。イギリスはセーラのその緑の澄んだ目を見ながら問い返したのだ。
「どうなるってんだ?」
「はい、ガメリカと中帝国は植民地の独立を認めてきましたね
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