TURN56 ゲイツランドの壁その四
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「一つ気になることがあるんだが」
「気になること?」
「そうだ。カナダ星域にあった研究所だが」
「ああ、あれだね」
「知っているんだな」
「うん、ノイマン財閥の管轄でね」
カナダは東郷達にこのことも話した。
「アンドロイドというか人間の脳を機械の身体に移した兵士を開発しようとしていたんだ」
「非人道的と言うべきか」
「とはいってその脳は死刑囚のものだから」
どのみち生きることのない者達のそれを流用しているというのだ。
「その辺りはノイマン財閥、ガメリカも考えてるけれどね」
「ということはアメリカさんも御存知なのですね」
「そうだよ。とはいってもこのことを知っているのは」
カナダは首をスコア氏傾げさせながら日本にも話す。
「僕達とアメリカ兄妹、それにドロシー=ノイマンと」
「そのノイマン家の方ですね」
「ガメリカ共和国科学技術長官とね」
「それと大統領ですね」
「あの大統領も計画は知っていてアメリカ君から聞いてるけれど」
「それでもですか」
「あまり知らないと思うよ」
大統領ですらそうだというのだ。
「計画の詳しい内容はね」
「そうなのですか」
秋山もその話を聞き言う。
「しかし犯罪者の脳を機械の身体に入れたのですか」
「そう、凶悪な死刑囚のね」
「危険ではないですか?」
秋山は死刑囚の脳を使っていると聞いて眉を曇らせて述べる。
「凶悪犯の脳を使うなぞ」
「そこは完全に洗脳というかマインドコントロールしてね」
「そのうえで機械の身体に入れて」
「それで使うとのことですが」
「そうした技術が解ければ危険ですが」
「そこは僕達もアメリカ君も危惧していたけれど」
だがそれでもだというのだ。
「ドロシーさんは戦場で軍人が死ぬよりはってことでね」
「犯罪者に機械の身体を与えてですか」
「それで前線に立たせようとしていたんだ」
「成程、そうですか」
「うん、けれどカナダが占領されてね」
このことが研究自体に大きな影響を与えたというのだ。
「それでね」
「研究は頓挫しましたか」
「いや、完全に破棄されたよ」
カナダは日本にそうなったと答える。
「もうそうなったよ」
「頓挫ではなくですか」
「ドロシーさんは今のところガメリカ本土に戻ってないし」
「では何処に」
「それもわからないけれど」
カナダはわかっていないことも踏まえて話していく。
「ただ。研究所はもう完全にだよね」
「データの類は全て消去されていました」
「そうだね。それでガメリカ大統領もそれを聞いて即座にだったんだ」
「計画に関するデータ及び資料の完全破棄ですね」
「そうしたよ。もう何もないよ」
「ではもう機械の兵士達は」
「使えないよ。けれどね」
カナダは遠いものを見る目にな
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