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失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】
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第十話「慰安旅行」
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の首輪は妖力を抑える機能を持つ。そのため、今のハクの姿は毛色が珍しいというだけの一見どこにでもいる小狐だ。尻尾の数は妖力に比例するのではないのかと思い造ってみたのだが、付けた途端に尻尾の数が激減したのを見て思わずガッツポーズをとってしまった。
後付けの機能として妖力の強さによって抑制する度合いが変わるように仕組んでおいたため、自身の妖力をコントロールするいい訓練になるだろう。完全に妖力をセーブできれば尻尾の数は一本、不完全ならその妖力の強さによって現れる尻尾の数が変化するため、一目瞭然だ。自分なりにいい仕事をしたと思う。
ちなみに首輪の前側にはローマ字で【BYAKUYA】と彫ってある。これで迷子になっても大丈夫だ。
「まあ、俺も付き合うから、妖力のコントロールは追々覚えていこう。それを付けている間は妖力は完璧に抑えられているから他の妖に狙われることはないだろう」
「そうですね、確かにこれがあれば妖に襲われる確率は激減するでしょう。……こんな物まで造れるなんて、千夜は本当に人間なんですか? 妖を退治することもあるようですし」
「失敬な。歴とした人間――とは言えないが、遺伝子的には人間だ。かなり特殊な部類には入るが」
うん、嘘は言っていないな、嘘は。核心もついていないが。まあ、それについてはいずれ話そう。
「さて、俺は昼食の前に一風呂浴びて来るかな。ハクも来るか?」
「――? 風呂とは何ですか?」
小首を傾げるハクに、ああそうか、とこの子の生い立ちを思い出した俺は一人頷いた。
「そうだな、風呂というのは湯のことだ。人間や大抵の人型の妖は習慣的に湯に浸かり身体を綺麗にするんだ。ここは天然温泉だから身体にもいい」
よく分からないのか頭から疑問符を浮かべているハクに苦笑した。
「まあ実際に浸かってみるのが一番だな。ということで行くぞ」
「はい? わわっ――」
ハクを持ち上げ頭の上に乗せた俺は着替えとタオルを手に露天風呂へと足を向けた。
† † †
まだ昼前だからか、温泉には他に客はいなかった。
「――これは、いいものですねぇ……」
「だろう? これが日本の美というものだ」
透明な湯に身を沈め目を閉じながら久々の温泉を堪能する。ハクの身長では溺れてしまうため、桶一杯に汲んだお湯に浸かってもらっている。
――湯船で浮いた桶の中で風呂に入る狐……シュールだな。
初めての風呂はお気に召したのか、気持ち良さそうに目を細めていた。
「人間は毎
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