第62話 =空への一歩目=
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葉はさらに続く。
「お前は俺のパーティの一員として既に名が通っている。そのお前が理由も無く抜けて他のパーティに入ったりすれば、こちらの顔に泥を塗られることになる」
「………」
その大仰な言葉にリーファは言葉を失いうつむいてしまった。そこから辺りに妙な空気が流れ双方が沈黙している俺はその馬鹿げた理由にあいた口がふさがらなかった。本来…というか俺がリーダーに必要だと思っているのは個よりも全を考えることだと思ってる。もちろん、その個も捨てっぱなしじゃ無くてちゃんと対応を考えなければならないし力も知恵も必要だ。だがこいつは完全に自分の名誉のことしか考えていないいわゆる独裁者タイプだ。
そんなことを思っているとこの沈黙を破る者が。
「…仲間はアイテムじゃないぜ」
スプリガンの少年、キリトだった。その声に俺もリーファも、相手のシグルドたちもいっせいにキリトの方を見る。
「…なんだと…?」
「他のプレイヤーを、あんたの大事な剣や鎧みたいに、装備欄にロックしとく事は出来ないって言ったのさ」
そのキリトの言葉に怒りからかシグルドの顔が一瞬でに赤くなりつかつかとキリトとリーファに近づいてくる。でも、そうはさせないと2人をかばうように割り込みシグルドの足を止めさせる。
「キリトの言うとおりだな。リーファはアンタの物じゃない、リーファはリーファ自身のものだ。だから束縛する権利も無いはずだ」
「だが、リーファは我々のパーティの一員だ。彼女の行いによっては我々の面子が」
「だったらシグルトさん、アンタはリーファにパーティから抜けるなってあらかじめ言ったのかな…?どうも後ろを見るとそんな様子じゃなさそうだけど……どう、リーファ」
「……リクヤ君の言う通りよ。あたしがスカウトに乗ったのはパーティ行動するのは都合のつくときだけ、抜けたくなったらいつでも抜けられる…そういう条件だったはずよ」
「…って言ってるけど」
「き…貴様らっ!!」
どうやら向こうの堪忍袋の緒が切れたらしいのかその真っ赤な顔のまま肩から下がったマントの下にある剣の柄を握りそのまま立派な装飾のついたブロードソードを抜刀しようとするシグルド。
「この……脱領者どもが付け上がるな!!」
「失礼なこと言わないで!!キリト君とリクヤ君…この2人はあたしの新しいパーティの仲間よ!!」
「なん……だと…!?」
額に青筋を浮かべながらも、シグルドはリーファの発言に驚愕をにじませた声で唸った。
「リーファ……お前は領地を捨てる気なのか…?」
そのシグルドの言葉にリーファはその目に迷いの色を見せていた。今日、ここに入る前に軽くアルヴヘイム・オンラインについて軽く調べたがどうやらプレイスタイルが2種
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