第62話 =空への一歩目=
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こそ」
「よろしく頼むよ、リーファ」
俺とキリトもそういいながら拳をあわせる。するとキリトの胸ポケットから飛び出たピクシーがその真ん中にストンと立ち、その小さな拳を上に上げていた。
「頑張りましょう!目指すは世界樹!!」
「「おぅ!!」」「うん!!」
―――――
先ほどの武具屋を出て数分、俺たちの目の前に現れたのは昨夜、キリトのぶつかった例の塔だった。キリトもあのときのことを思い出してか嫌そうな顔をしている。
「ブレーキングの練習しとく?」
「……いいよ。今後は安全運転することにしたから……というか心配するならリクヤのほうだろ」
「俺?何でだよ」
「昨日、随意飛行できていなかったじゃないか」
キリトはそう言うが随意飛行については出発するときに驚かせてやろう、ということでニヤリと笑いながら仮想の骨と筋肉を動かすイメージを強める。昨日のあの恥ずかしい出来事は考えないことにした。
「……おぉ」
「昨日とは大違いね」
少々のドヤ顔をしながら俺たちはそのまま足を進め風の塔といわれる翡翠色の建物へと入っていく。何かこの塔に用事があるのかとリーファに聞いたところ高度が稼げるから長距離移動のときはこの塔からの出発が当たり前らしい。地理がまったくと言っていいほど解らない俺たちをリーファが引っ張っていく形で塔の中へと入っていく。正面扉をくぐると周囲をぐるりとショップが取り囲んでいる。雑貨屋やちょっとした武具屋、飲食店まであってモールのようなものになっていた。その中央には周りにあっているデザインで魔法で動くと思われるエレベータが2つ設置されて定期的にプレイヤーを吐き出したり吸い込んだりしている。
アインクラッドにもこんなにぎやかなところは少なかったので感心しながら周りを見ていると腕を引っ張られある方向へと動き出した。どうやら今来たエレベータの一基に駆け込むらしい。駆け込み乗車が危険なのは電車だけじゃないから気をつけろよ…。
「ちょっと危ないじゃない!!」
たく…とため息をつこうとするがどうやらそれは乗り降りの問題ではなくその前に何人かのプレイヤーがリーファの道をふさいだからだった。どうやらリーファはそのプレイヤーを知っているらしく「こんにちは、シグルド」と笑顔で挨拶はしたが完全に引きつっている。
「パーティから抜ける気なのか、リーファ」
「うん……まぁね。貯金もだいぶ出来たししばらくのんびりしようかと思って」
リーファはその偉そうな雰囲気の人物に頷き答える。
「勝手だな。残りのメンバーが迷惑するとは思わないのか」
「ちょっ……勝手…!?」
この男の言葉にリーファもカチンと来たらしく声を張り上げて反論しようとする。が、それすらも無視しシグルドの言
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