第十五話 ドラグスレイブの初お披露目
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荒れ地となっているのだが、その地下には一面ミサカの死体が敷き詰められた部屋があるのだ。中で見た地下室の広さから考えれば、敷地面積一杯の広さを地下室にしていたというわけではないようである。
俺は外部への被害を出さないように、敷地の外周に空間盾を発動させてから呪文を唱え始めた。
「黄昏よりも昏きもの、血の流れより紅きもの……」
俺が唱えているのはスレイヤーズ世界の魔族の力を使う魔法である。この世界で使うのは初めてだが、今までの他の世界でも使えていたので多分大丈夫だろう。まぁ、使えなかったとしても他に使える魔法は色々あるので問題無い。
「竜破斬!!」
俺の放った魔法は赤い光となって研究所敷地のほぼ真ん中へ吸い込まれていき、ドグォーンという何ともコミカルな爆発音を響かせて……いや、爆発音がコミカルだったかどうかはスレイヤーズの世界で俺の耳が慣れてしまったせいで、補正が掛かっていたのかもしれないが、取り敢えずドラグスレイブは研究所をきれいに跡形もなく消滅させていた。
「ふー……任務完了ね」
俺は上空300mぐらいの位置で一息ついた。研究所の敷地は、俺が空間盾を設置していたので外側に被害は全く出なかったのだが、内側のほうは深さ20m程度まできれいに消滅していて、空間盾を解除したら周囲から崩れ落ちてしまいかねない状態になっていた。
「うーん、まずいわねー」
「まずいというか、後始末が大変だにゃー」
俺が土御門さんの横に降り立ってからつぶやいた言葉に土御門さんが反応した。
「そうなのよねー。このままにしといたら絶対周囲が崩れちゃうしねー」
もしこのまま俺が空間盾を解除すれば、恐らくこの建物や道路、そして向こう側の建物なども、研究所の敷地だった場所へ崩れ落ちてしまうだろう。
「そうだにゃー、これだけの広さを埋めるのにも相当な量の土が必要だぜい」
「あー、そっか。埋めちゃえばいいのよね」
俺は崩れ落ちないように穴の周囲を補強する方法を考えていたのだが、土御門さんの言葉で穴そのものを埋めてしまえばいいことに気がついた。
「何か方法でもあるのか?」
「ええ、土の質さえ問わなければ、すぐに埋められるわ。じゃ、いくわね」
土御門さんの疑問に答えてから俺は、随分前の世界で山の中に秘密基地を作るために穴を開けたときの残土を入れていた作成空間を開く。秘密基地といっても子供が作るようなものではなく、中で戦車や戦闘機を作る工場などが稼動していた本格的なものである。その為、残土の量が半端ではなく、研究所の敷地を埋めるくらいなら充分まかなえるだけの土がこの作成空間内にはあるのだ。
まずは敷地外周に張り巡らせた空間盾を解除し、
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