第十五話 ドラグスレイブの初お披露目
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れる。取り敢えず部屋の中には机や椅子すら残っておらず、ものの見事に空っぽの状態だった。そして、ガラスの向こう側を覗いてみると……。
「げっ!」
そこには一面死体だらけの空間が広がっていた。この部屋より一つか二つ下の階になるのだろう、ガラス窓から見下ろせるようになっている部屋の広さは普通の学校の体育館ぐらいだろうか、その一面に広がっているのはほとんどが血の赤で、ところどころに髪の毛の色だと思われる茶色や皮膚の肌色、そして服の色だと思われるベージュっぽい色や白っぽい色も確認できた。そう言えば、見えている血の赤というのは、かなりの部分が普通なら暗くて見えない死体と死体の隙間から見えているものだろう。
ここで俺は、7つ目に設定しておいた遠距離視を発動させてみる。
「ミサカかぁ……」
そこに広がる死体の数々は全て、見た目が御坂美琴……つまり妹達だった。御坂美琴本人を見る前にシスターズのほうを、しかも死体を見ることになろうとは……。
だが、そうなると当然この死体の山は、DNAすら残さないように跡形も無く消滅させなければならないのだろう。というか、跡形も無く破壊しろという命令はそういう意味だったのか。しかし、まさか俺がこんな役回りをする事になるとは思わなかったが、暗部に所属する以上当然予期しておくべきことだったのだ。
俺は部屋から出ると、下へ降りる階段へと向かった。この建物の階段は、地上階から地下一階へ下りる階段が玄関から一番遠い位置にあり、地下一階から地下二階へ下りる階段は、地上から下りてきた階段から廊下を歩いて反対側、つまり玄関の下辺りにあるのだ。恐らく、ミサカの逃亡を防ぐための構造なのだろう。
階段を下りると今度は廊下では無くいきなりドアがあった。ドアを開けて中を覗いてみると、どうやら地下一階にあった部屋と廊下の真下がそのまま一部屋になっているようだ。壁際にはロッカーが並んでいて、一箇所だけ扉がある。位置的に考えて、そこからミサカの死体が敷き詰められた部屋へ出られるのだろう。
俺は扉の前に立つと、一度大きく深呼吸をした。そして、ゆっくりと扉を開く。当然、開けた瞬間から目の前にミサカの死体がいくつも横たわっている状態だ。
レビテーションで宙に浮き中へと入るが、血の匂いで気分が悪くなりそうだ。生体反応の識別能力で、部屋を一周しながらまだ生命反応のあるミサカが存在しないかを確認していくが、やはりというか残念ながら全てのミサカが完全に死んでいた。
これ以上進める部屋は無いみたいなので部屋を出て上の階まで戻り、俺は暗部用ケータイを使って土御門さんに電話した。
『どうしたんだにゃー?』
「これから少し時間ありますか?」
『ああ、大丈夫だぜい
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